実はすぐには飛べないタンチョウ、交通事故の被害が過去最多 道路横断していたら「必ず減速を」

動画を制作している人

交通事故に遭った国の特別天然記念物タンチョウの保護活動を進める北海道の釧路市動物園が、ドライバーらに事故防止を呼びかける動画を製作した。

交通事故で収容されるタンチョウは2024年度に過去最多を更新。

同園は「タンチョウの行動特性を知ってもらい、1件でも事故が減ってくれれば」と願いを込める。

かつて絶滅の危機にひんしたタンチョウは人工給餌などが奏功し、今では1900羽を超える。

環境省釧路自然環境事務所によると、00~24年度に傷ついたり死んだりして収容されたタンチョウ計806羽のうち、交通事故が原因だったのは192件に上った。

24年度は初めて20件に達した。

動画はタンチョウが車の行き交う道路を横断する様子や、事故で骨折して「リハビリ」に励む姿などを収めた。

体が大きいタンチョウは車が近づいてもすぐに飛び立つことができないため、「必ず減速!」と注意喚起。

餌付けしないよう呼びかける。

同園は1975年の開園以来、けがをしたタンチョウを受け入れており、「現実を知ってほしい」と義足の姿も公開している。

ただ、車とぶつかったタンチョウは背骨や骨盤を骨折することが多く、命を落とす可能性が高くなるという。

動画はユーチューブの同園公式チャンネル「まいにちタンチョウ・レスキュー」やX(旧ツイッター)で見られる。

2分、6分、8分30秒の3本があり、英語版、中国語版(字幕のみ)も製作した。

担当した獣医師の飯間裕子さん(44)は「6月はひなの行動範囲が広がる時期でもある。人間が気をつけることで事故を防げることを知ってほしい」と話している。

動画は釧路運転免許試験場でも流しており、園は公開を希望する施設を募集している。

参照元:Yahoo!ニュース