「半分以上青い」選挙掲示板 「ジャック」に備え? 都議選、参院選

東京都庁の外観を撮影した画像

13日に告示される東京都議選(定数127)を前に、候補者のポスターを張る選挙掲示板が「デカすぎ」「余白大きすぎ」などと話題になっている。

選挙掲示板を巡っては、2024年7月の都知事選で枠の“販売”や、枠外の掲示が問題になったばかり。

当時取材した一員として気になり、選挙管理委員会の担当者に話を聞いた。

掲示板の大半が工事現場などで見かけるブルーシートで覆われ、都議選のポスター枠が見えるのは真ん中のごく一部――。

文京区に設置された掲示板の状況だ。

珍しい光景に、道行く人も気になっている様子だった。

想起したのは昨夏の都知事選。

同じ人物の顔が写ったポスターが24枚も張られる「掲示板ジャック」と言える状況を撮影し、違和感を覚えた。

その人物は立候補すらしていなかった。

事態のきっかけとなったのは、政治団体「NHKから国民を守る党」(当時)が、ポスター枠を事実上販売する計画を公表し、関連団体も含めて24人を擁立したことなどだ。

過去最多の56人が立候補し、都選管の用意した48枠では足りなくなった。

その影響で大きな掲示板を用意したのだろうか?

文京区選管に聞くと、青く覆われているのは7月に見込まれる参院選用のポスター区画。

業者からの提案で文京区では初めて掲示板をブルーシートで覆った。

真ん中に見えている都議選用区画はブルーシートの上から打ち付けている。

22日の投開票後、都議選用の区画とブルーシートを撤去すると、参院選用に72枠分のポスター掲示板が現れる案配だ。

「同時に設置する方が費用が抑えられる」と担当者。

今回と同じように都議選と参院選が相次いだ13年も、二つの選挙の掲示板を一部二重に設置したという。

ただ、都知事選の余波も垣間見える。

文京区では、13年の参院選で掲示板のポスター枠は30だったが、22年の前回選では39に増やした。

今回はさらに倍近くになり、増加傾向に拍車がかかっている。

一方、都議選は21年の前回選と同じ9枠を用意した。

どのような掲示板を設置するかは文京区などの各区市町村選管が判断しており、都選管が指示しているわけではない。

とはいえ3月に都選管から各選管に、参院選は72枠程度を準備した方がいいと伝えたという。

今夏の都議選では12年前の253人や4年前の271人を上回る人数が立候補準備を進めている。

参院選東京選挙区(改選数6、欠員補充1)でも22年の前回選では34人が立候補しており、今回も激戦が見込まれる。

都選管の担当者は「これまで同様、政治情勢などを考慮して立候補者数を予想した上で、各区市町村と連携している」と話す。

杉並区は、前回参院選で36人分用意した枠を、今回は倍の72人分用意。

作業の省力化のため、表に都議選の枠を設け、耐水性の白い紙で参院選用の枠を覆っている。

練馬区や葛飾区なども参院選分のスペースも確保した大きな掲示板を設置している。

一方、江東区では、設置中の掲示板は都議選用に24枠分。

参院選では同じものを再利用し、更に、同サイズの掲示板を隣に二つ増設する備えで最大72枠を確保する。

ある自治体の選管職員は「立候補者数の予測は難しい。枠が足りなくなるよりはいいが、枠が増えると印刷コストや設置等の人件費も増えてしまう」とこぼしている。

参照元:Yahoo!ニュース