AIで発明・創作、知的財産の基準確立へ 政府が推進計画

政府の知的財産戦略本部(本部長・石破首相)が3日にも決定する「知的財産推進計画2025」の全容が判明した。
AI(人工知能)・デジタル時代の知的財産制度の確立や、AI・量子などの新領域に関する国際的なルール形成の主導、日本が強みを持つコンテンツ産業を活用した地方創生を柱に掲げ、国際競争力の強化につなげる。
同計画は知的財産の保護や活用について施策の方向性を示す文書で、毎年策定している。
今回は、生成AIへの対応や、アニメ・マンガ・ゲームといった日本の知的資本を最大限活用する道筋を示し、国際競争力を持つ付加価値を創造する環境整備に重点を置いた。
知的財産制度では、生成AIが日本の発展に「大きく寄与する可能性がある」とし、利活用推進を掲げた。
その上で、AIを利用した発明や創作が増えれば、AI開発者側の貢献をどう評価するかが課題になるとし、発明者の認定基準を明確化する方策を検討するとした。
AIを利用した著作物の権利問題を巡っては、学習元の著作物の権利保護に関する法的ルールの周知・啓発を継続する。
AI事業者による学習元の情報開示が不十分なため、透明性を確保する仕組みも検討する。
政府は計画と合わせ、先端技術分野などの国際的な標準作りで主導権確保を狙う「新たな国際標準戦略」を19年ぶりに策定する。
これに連動し、知的財産推進計画では、「デジタル・AI」「量子」「情報通信」「環境・エネルギー」など八つの戦略領域で日本が国際市場でのルール形成を主導すると打ち出した。
実現に向け、官民連携の枠組みを創設する。
コンテンツ産業については基幹産業と位置付け、2033年までに日本発コンテンツの海外市場規模を20兆円とする目標を明示した。
訪日外国人を含め、作品の「ゆかりの地」への訪問者が増えていることを踏まえ、「コンテンツと地方創生の好循環プラン」も策定する。
映画やアニメの舞台となった場所などから全国約200か所を33年までに拠点として選定。
拠点の「聖地化」を通じ、食や伝統文化のアピールに結びつけ、地域経済を活性化する戦略を描く。
参照元:Yahoo!ニュース