難病治療で渡米の4歳女児、トランプ政権から出国求められる 「強制送還なら命を落とす恐れ」

小腸が短く食事で十分な栄養が吸収できない「短腸症候群」を患い、米ロサンゼルスの小児病院に通院中のメキシコ出身の女児(4)が、トランプ米政権から直ちに出国するよう求められている。
母親は5月28日、ロサンゼルスで記者会見を開き、「強制送還された場合、娘は命を落とす恐れがある」と訴えた。
女児は出生後間もなく、メキシコで受けた腸閉塞(へいそく)の手術で、腸が短く切り取られた。
その後も医療ミスが続き、一時は命の危機にさらされた。
2023年7月、米国で専門的な治療を受けるため、当時のバイデン政権から2年間の滞在を認められ、合法的に国境を渡った。
小児病院を退院した今も、毎日14時間の点滴で栄養を取る必要があり、母親のデイジー・バルガスさん(28)の看護を受けながら、カリフォルニア州内の保育園に通っている。
バルガスさんは4月中旬、米国土安全保障省(DHS)から予期せぬ通知を受けた。
不法移民であることを前提とした「仮釈放」の終了を告げ、自発的な出国を促す内容で、従わない場合は「あなた(の居場所)を特定する」と記されていた。
1月のトランプ政権発足後、過去に合法的な手続きを経て入国した移民の滞在資格が取り消されるケースが相次いでいる。
女児は主治医から「栄養補給を中断すれば、致命的な結果を招く可能性がある」と指摘されており、人道的な配慮から滞在延長も認められると考えていたバルガスさんのショックは大きかった。
記者会見には、栄養補給のための機器を入れたリュックサックを背負った女児も出席し、無邪気な表情を見せた。
バルガスさんは「米国で受けた支援のお陰で、娘は普通の女の子として生活を送る機会を得た」と述べ、連邦政府に滞在を認めるよう懇願した。
参照元:Yahoo!ニュース