「防災庁」内閣の直轄組織へ 復興庁など3例目 勧告権強化へ設置法案検討

政府が令和8年度の設置を目指す「防災庁」について、内閣直轄とする検討に入ったことが1日、分かった。
内閣府防災担当が担っている現在の機能を、組織改編により強化するのが狙い。
政府は有識者会議から近く提出される報告書を踏まえ、防災庁設置法案の策定に向けた検討を本格化させる。
法案は来年通常国会への提出を目指す。
複数の政府関係者が明らかにした。
現在の防災担当は内閣府設置法に基づく内閣府の部門の1つ。
同法の規定では内閣の重要政策に関する「総合調整」として他省庁に対する指導や勧告を行う権限を持つ。
防災庁設置に当たり、政府は現在の防災担当を内閣府から独立させ、内閣直轄として機能強化する方向で検討している。
内閣の直轄機関の庁は復興庁、デジタル庁に続く3例目となる。
組織改編が実現すれば、防災庁は防災政策の司令塔として他省庁の個別政策に踏み込んで必要な措置を取るよう指導、勧告できる権限を持ち、他省庁はそれを尊重する義務を負うことになる。
復興庁、デジタル庁の各設置法と同様の仕組みを念頭に置く。
また、防災担当相は従来、領土問題担当相や国家公安委員長などを複数兼任していたが、防災庁設置後は専任大臣とすることで首相に対する補佐機能を強化する。
一方、予算に関しては個別に枠を持つ復興庁とは異なり、各省庁の関連予算を取りまとめるデジタル庁と同様の形が想定されている。
防災担当の定員は今年度、110人から220人に倍増するが、防災庁発足と同時に人員拡充を実現できるかは不透明だ。
地方組織の設置については明確にせず検討を続ける。
自民党は5月28日、防災庁についての提言を石破茂首相に提出。
首相をトップとすることや他省庁への指導・勧告権限などを盛り込んだ。
参照元:Yahoo!ニュース