令和の子どものガス抜きに ガス店が始めた駄菓子屋盛況 ほぼ60円内、地区外からも来客「これほど人気出るとは」

駄菓子屋をイメージした写真

鹿児島県指宿市湊3丁目のガス会社「肥後プロパン商会」の一角が、連日子どもたちでにぎわっている。

同社の肥後大輔社長(44)が「子どもが気軽に集まれる場所をつくりたい」と4月中旬、展示スペースの一部を自ら改修して駄菓子屋をオープンした。

口コミで評判が広がり、今では地区外からも客が訪れる。

会社の屋号をもじった店名は「ひごP」。

昭和を意識した装飾で、懐かしいガムやスナック、おもちゃなど約150種類が並ぶ。

最安値は11で、その他の菓子類も50~60円以内がほとんど。

仕入れ先への交通費などを考慮すれば「はっきり言って赤字」と肥後社長は苦笑する。

開業のきっかけは今春、小学2年の長女とその友人が小遣いを手に、近くのドラッグストアまで出かける姿を目にしたことだ。

自身が幼少期に友人らと通った駄菓子屋は次々に姿を消し、周辺には一軒もなくなっていた。

「子どもたちが楽しめる店が地域には必要」と思っていた時、展示スペースに空きができたことで改修を決意した。

日祝定休で、営業は午前8時半から午後5時半。

店番は肥後社長の母・明美さん(68)が本業の傍ら担当し、何げない会話を通じてお金の大切さなどを伝えている。

妹や友人と週に1、2度は立ち寄るという丹波小学校5年の肥後蒼空(そら)さんは「当たりくじ付きのお菓子がたくさんあって、友達と見せ合うのが楽しみ」と笑みを浮かべる。

オープンから1カ月あまり。

平日の放課後で20~30人、土曜など50人近く訪れる日もあり、子どもたちの憩いの場として存在感を増している。

肥後社長は「最初は軽い気持ちで始めたが、これほど人気が出るとは。結果的に地域貢献になるなら、続ける意味がある」と力を込めた。

参照元:Yahoo!ニュース