「妊娠糖尿病は私のせい?」自分を責めた北原里英 180度変わった食生活「痩せるために食べない日々を反省し」

妊娠をイメージした写真

昨年11月、第一子となる女の子を出産された女優・タレントの北原里英さん。妊娠中期に「妊娠糖尿病」と診断され、不安な日々を送っていたそうだ。

── 昨年夏、第一子の妊娠を公表されました。アイドル時代から応援していた身としては驚きつつ、幸せな気持ちになりました。

北原さん:ありがとうございます。私、昔からずっと「子どもがほしい」と思っていたんです。だから、妊娠がわかって、産科医さんから「おめでとうございます」って言葉をもらったときは、本当にうれしくて。すぐに病院から夫に電話したんですけど、赤ちゃんを授かった実感がじんわり湧いてきて思わず泣きそうになりました。「まさか本当にこんな日がくるなんて」と信じられない気持ちでしたね。

── 幸せな1日だったのですね。その後、妊婦生活はどのように過ごされましたか?

北原さん:妊娠初期はつわりは重くなくて、体調も順調だったのですが、妊娠中期に「妊娠糖尿病」と診断されてしまって…。妊娠中に初めて糖の代謝異常が見つかった場合を「妊娠糖尿病」というそうなんですが、ずっと体が丈夫なほうだったので、思いもよりませんでした。

最初は病院から電話で連絡があったんですけど、そのときの電話の呼び出し音がいつもとは違うように聞こえたんです。まるで虫の知らせのような気がして。不安になってそっと電話に出たら、やっぱり病院からで。「妊娠糖尿病と診断されました。少し心配な数値が出ているから、次回、対策を考えましょう」と伝えられました。

── 妊娠中に何か病気だと診断されると、不安になりますよね。

北原さん:本当に不安でした。一般的に血糖値を下げるホルモンの働きは妊娠が進むにつれて弱まるらしく、妊娠糖尿病を発症する妊婦さんはそれなりにいるようで。それもあって、大半の産科では妊娠中に検査があるそうなんですけど、私は1回目の検査で再検査に。妊娠糖尿病のことなんて全然頭になかったから、まさか自分が、しかも妊娠中に診断されるなんて…って、すごくショックでした。

ネットで調べたら、症状によっては赤ちゃんに悪い影響が出てしまう恐れがあるという情報を見つけ、調べれば調べるほど不安が大きく膨らんでしまって。「何がダメだったんだろう」って、とにかく原因を探すことで頭がいっぱいになりました。私、妊娠してから甘いものが好きになったんですけど、「甘いものを食べすぎたから?」とか、すごく自分を責めました。

── そうだったんですね…。私も妊娠初期に病気が見つかって結局、中期には治ったのですが、それまで自分を責めてばかりいました。でも、後になって自分のせいじゃないということがわかってホッとしたことを覚えています。今回も北原さんは悪かったわけではないと思います。

北原さん:そうですよね…妊娠糖尿病はかかる人は一定数いるみたいですし。ただ、糖尿病の場合は遺伝の可能性があるし、比較的ふくよかな方がかかる可能性が高いとも聞いていて。私は「年中ダイエット」というくらいカロリー管理に気をつけていたから「どうして!?」ってすごく驚きました。

── 妊娠糖尿病の対策では何かされたのですか?

北原さん:医師からは、「普段、炭水化物を全然食べていないから、まずお米を食べることが改善策のひとつになりそうだ」と言われて。意外なのですが、一般的に糖質が高いと言われるお米が、糖尿病の患者さんに対する食生活の指導で見直されているのだそうです(※)。

(※)体質や症状などによって改善策は異なるため、医師にご相談ください。

私の場合は「主食・副菜などをバランスよく食べる。主食に炭水化物をとる」ことを指示されました。でも、同じ妊娠糖尿病でも患者さんの状況や医師や栄養士さんの考え方によっても違うと思います。

そこから病院の栄養士さんと一緒に、食生活を見直しました。といっても、厳しい制限があったわけではなくて、まず、朝昼晩の1日3食、お米をしっかり食べるようになりました。あとは、最初に野菜から食べる「ベジファースト」を守って。私の場合、妊娠前は朝食を食べていなかったので、食生活が大きく変わりましたね。今まで痩せるって決めたら、基本食べないことを選択してきたんです。

──「年中ダイエット」だった以前の生活からは大きく食生活が変わったのですね。

北原さん:はい、180度変わりました。妊娠生活では、何をするにも「お腹の子のために」という気持ちがすごく大きくて、特に食べ物は自分が摂った栄養がすべて赤ちゃんにゆきわたると思って本当に気をつけました。なるべくお肉よりお魚を選ぼうかなとか。

今でもその食生活を続けていることを考えると、妊娠糖尿病は、最初はつらかったし不安も大きかったけれど、赤ちゃんにとっても、自分が健康的な食習慣を始めるためにも、いいきっかけになったと思います。ダイエットが当たり前だった妊娠前と比べて、食生活への考え方は大きく変わりましたね。体重を一時的に減らすことって、そこまで難しくないんです。でも、しっかり食べて必要な栄養素をとって、健康的に生きていくことがどんなに大切か、わが子との生活を通してしみじみ感じています。

妊娠後期になると症状は改善されたんですけど、それでも出産する2週間前までは血糖値を計測する機器を身につけていました。出産1か月前の健診ではずしてもいい状態になってからも、「いちおうつけとこうか」って。私は投薬が必要になるほどの高い数値にはならず、妊娠後期には数値が安定していたので、安心して出産に臨むことができました。

妊娠糖尿病で不安を抱えながらも、食事を見直して無事臨月を迎えることができた北原さん。

出産直前に偶然会ったのは、俳優の吉田鋼太郎さんだったとか。

無事に第1子を出産できたのは吉田さんのおかげかも?と感じているそうです。

参照元:Yahoo!ニュース