米鉄鋼関税、50%へ引き上げ 日鉄は「偉大なパートナー」 業界最大2兆円投資 トランプ氏

ホワイトハウスの外観を撮影した画像

トランプ米大統領は30日、東部ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊にある米鉄鋼大手USスチールの工場で演説し、日本製鉄によるUSスチール買収計画に関し、「われわれは偉大なパートナーを持つ」と歓迎した。

また、米鉄鋼産業振興を狙い、鉄鋼輸入に課す追加関税を現行の2倍となる50%に引き上げる方針を表明した。

買収の枠組みなど計画の詳細には踏み込まなかったが、演説後、最終合意には至っていないと明らかにした。

トランプ氏は、強い鉄鋼産業は「国家安全保障の問題だ」と指摘した。

演説後のSNSへの投稿では、鉄鋼・アルミニウムに対する50%の関税を来月4日に発動する意向を示した。

トランプ氏は演説で、日鉄のUSスチールに対する投資額が140億ドル(約2兆円)に上るとし、「米鉄鋼産業に対するものでは史上最大だ」と強調した。

既存の生産施設の能力拡大や更新、研究・開発施設への投資などが含まれるという。

トランプ氏は、USスチールが「米企業にとどまる」と明言。

「最も重要なのはUSスチールが米国によってコントロールされ続けることだ。そうでなければ、私はディール(取引)をしなかった」と述べた。

また、日鉄側の買収提案を何度も断り続けたが、「そのたびに取引は労働者にとってますます良くなった」と主張。

自らの積極関与が巨額投資に結び付いたとして、成果をアピールした。

買収計画は、バイデン前大統領が国家安保上の懸念を理由に中止を命じた。

ただ、トランプ氏は大統領の諮問機関である対米外国投資委員会(CFIUS)に再審査を指示。C

FIUSがトランプ氏に提出した勧告書を踏まえ、来月5日までに最終的な結論を出す見通しだ。

トランプ氏はワシントンへ戻る機中で記者団に対し、買収計画に関する最終案をまだ確認していないと言明。

「最終的な取引を承認する必要がある」と語った。

演説には日鉄の森高弘副会長も出席。

トランプ氏が「これは彼が長年温めてきた事業だ。ありがとう、タカヒロ」と紹介する一幕もあった。

参照元:Yahoo!ニュース