いわき信用組合の不正融資“247億円以上” 第三者委「類例を見ないほどに悪質な事案」

不正融資をイメージした画像

福島県のいわき信用組合が不正融資や職員による多額の横領を長期にわたって隠ぺいしてきた問題で、第三者委員会が会見を開き、調査結果を公表した。

前代未聞の不祥事が明らかになったのは、去年11月。

いわき信用組合・本多洋八理事長「10億円を超える金額になると思っている」

10億円を超える大口取引先への不正融資や、職員による多額の横領について、長年にわたって隠ぺいしてきたことを公表。

東北財務局によると、名義人に無断で開設した複数の口座への架空融資や、事業実態のない企業、いわゆる“ペーパーカンパニー”への「う回融資」を通じ、大口取引先への不正融資を繰り返していたという。

一連の不祥事について、預金者は…。

預金者「顧客の信用を失うようなことをしているなと思う。そういうことが、やっぱりできるのかなと。不信感ではある」「もし私(の口座が)が使われていたら、腹立つかもしれないけど」

口座を解約に来た人も。

口座を解約に来た利用者「預金とかなんかも解約にきた。もう不信感があって、そんな架空の取引。知らないところで勝手に操作がされていると思ったら、やっぱり不安になる」

また、金融機関を管轄する国のトップからは…。

加藤財務相「経営陣による“う回融資”が行われた上に、長期間、隠ぺいしていたこと自体、大変遺憾だが、東日本大震災の被災地域の復興に貢献するために、国からの資本参加を受けながら、それを奇貨に“架空融資”の償却は、極めて遺憾。金融庁としても非常に重く受け止めている」

財務局は重大な問題があると判断し、組合に対し、経営責任の明確化や、さらなる真相究明、コンプライアンス意識が欠如した企業風土の改善といった業務改善命令を29日付で出している。

そして、30日、弁護士などで構成された第三者委員会が調査結果を公表した。

第三者委員会調査補助者・金田康裕弁護士「この不祥事は明らかに違法行為で、役員は全て解任されるべき」

利息や返済金として組合に還流したものもあわせると、不正融資は遅くとも2004年3月ごろから始まり、少なくとも累計金額は、およそ247億円以上となっている。

また、不正融資に使用されたのは、ペーパーカンパニー3社のものとあわせて名義数で263、口座数で1316に及ぶという。

また、第三者委員会は「およそ20年もの長期間にわたり、多くの役職員が関与して、多数回の犯罪的な不正融資が行われた本件は、我が国の金融機関の歴史を見ても、類例を見ないほどに悪質な事案」と厳しく指摘している。

参照元:Yahoo!ニュース