繁華街で水泳の授業!?小学校の水泳授業「民間委託」が本格スタート 温水プールでインストラクターが泳力別指導 担任は安全確認に集中 コスト・天候面のメリットも

水泳している人

今、公立の小学校で水泳の授業を民間のスイミングスクールなどに委託する動きが広がっている。

福岡市では昨年度まで試験的に行ってきたが、今年度から本格的な導入が始まった。

どんなメリットがあるのか、イマドキのプール事情を取材した。

RKB 本田奈也花 アナウンサー「午前8時30分、福岡市天神です。出勤時間帯ということで人通りも徐々に増えてきました。この天神のど真ん中で水泳の授業が行われるというんです」

「今バスが止まりました。中から出てきたのは児童たちですね、続々と外に出てきています」

「ソラリアプラザの中に入っていきます」

そして、業務用のエレベーターで10階へ

向かったのは・・・・

本田奈也花 アナウンサー「トレーニングジムにつきました」

着いたのはスポーツクラブ。

ここのプールで水泳の授業が行われる。

プールの水は温水だ。

この日、授業を受けるのは警固小学校の6年生2クラスおよそ50人だ。

授業は10人ほどの4つのグループに分かれて行われる。

そして、各グループに1人ずつついて指導しているのは担任の先生ではなくスポーツクラブのインストラクターだ。

グループはそれぞれ泳ぐ力が同じくらいの児童たちで構成される。

そして、指導内容もグループごとに異なる。

インストラクター「さっきはビート板があったよね、今度はビート板がなくなります」「しっかり頭いれるよ」

セントラルウェルネスクラブ天神ソラリア 谷圭佑 店長「お子様の泳力に応じた指導ができていると感じています。無理なくお子様たちが水泳を楽しんでいただけるような学習指導を心掛けております」

今年度から小学校の水泳授業の民間委託を本格的にスタートさせた福岡市。

昨年度は4つの小学校でモデル事業として実施。

効果を確認できたとして今年度は市立小学校146校のうち37校で行われている。

使用するのはスポーツクラブなど民間のプールの他、市民プールや県立プールなど36か所のプールだ。

授業は1日2コマ続きで4回から5回。

学校で行う水泳授業と変わらないコマ数が行われる。

民間委託を進めた背景にあるのはプールの老朽化に伴う高額な建て替え費用や維持管理だ。

本田奈也花 アナウンサー「かなり年季が入っていますね」

警固小学校 田中賢治 校長
「塗装がはげてきてますね。もう50年くらい経っているんじゃないかと」

また水泳授業が行われる6月7月の間、水をろ過する機械の稼働や塩素濃度のチェックなどは教員の仕事でした。

警固小学校 田中賢治 校長「毎日ここに来てやっていました。先生たちの負担は大変だったと思います」

モデル事業ではコスト面でも効果が確認された。

プールの維持管理費は、改修費用や水道代など年間平均でおよそ870万円かかるのに対し、民間委託の場合、移動のバス代や指導料を含めてもおよそ450万円と半額近くに抑えられたという。

さらに・・・

警固小学校 田中賢治 校長「去年までは気温が低い中、水温が低い中やると唇が紫になって震えている子もいたんですけど、今年はいないですもんね。子供たちにとっても先生たちにとってもすごくよかったと思っています」

去年まで児童と一緒にプールに入って指導していた教員は、プールサイドで児童の安全確認と成績を付けるための評価を担当。

教員の負担軽減にもつながっている。

6年生の担任「雨だったら中止だよというのがあったので、中止になったとき何するということを考えたりしなければならなかったんですけど、それがないので、そこが安心して授業できるかなと感じています」

6年生「楽しいです」「去年は雨とかで2、3回くらいしかできなかったんですけど、ここだったらずっと練習できそうなので目標に向かっていきたいです」

6年生「きょうはしっかりとバタフライの足を勉強したりしました。やっぱプロのコーチなので教え方が違う。ほめてくれたりとか教えてくれてうれしい」

今年度に民間委託で実施されている37校は「徒歩またはバスで片道10分以内でプールに移動できる学校」を条件に市が選定した。

水泳授業は2コマ連続で行われ、この中に移動時間も含まれる。

プールに入って水泳を習う時間は民間委託が45分、学校の授業が1コマ45分あたり20分から25分、2コマにすると同じくらいの時間になる。

1コマ45分の中で着替えの時間があり児童を見る教員の数も少ないため、全員を一緒にプールに入れて教えることは難しく、プールサイドで授業を見ている時間なども出てくるという。

福岡市の市立小学校は146校福岡市内や近郊の民間プールなどは約40か所。

実施校を増やそうにも限界がある。

福岡市教育委員会は民間委託を拡大する方向で考えていて、民間プールの事業者と複数校受け入れ可能か協議していきたいとしている。

そして、使われなくなった学校のプールは今後どうなるのか?防火用水としての役割もあるそうだが、今年度本格実施したばかりなのでこれから検討するという。

参照元:Yahoo!ニュース