ロヒンギャの船難破、427人死亡か 国連「今年最悪の海上の悲劇」

国連の国旗を撮影した画像

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は23日、ミャンマー沖で5月9~10日、同国の少数派イスラム教徒ロヒンギャを乗せた船2隻が海難事故に遭い、427人が死亡した可能性があると報告した。

UNHCRは「ロヒンギャの海上の悲劇としては、今年最悪となる」としている。

報告によると、2隻には計514人が乗っており、ロヒンギャが多く住むミャンマー西部ラカイン州と、隣国バングラデシュの難民キャンプを逃れた人が乗船していたという。

1隻は9日に沈没、もう1隻は翌日転覆し、計87人が救出されたが、残りの427人が死亡した可能性があるという。

ロヒンギャはミャンマーで長年、国籍を奪われるなどの迫害を受けてきた。

2017年の国軍の「掃討作戦」を機に70万人以上がバングラデシュに避難。

近年は、ミャンマーで国軍と仏教徒系の少数民族武装勢力の内戦に巻きこまれたり、バングラデシュでも難民キャンプの生活環境が悪化したりしていることから、船で他国へ逃れようとする動きが増加している。

UNHCRによると、今年4月末時点でミャンマー国外に逃れたロヒンギャは約127万人に上る。

この時期、ミャンマー沖は雨期に入り、強風や荒波が生じていてもなお脱出を試み、海上で命を落とす人が後を絶たない。

UNHCRは声明で「援助削減により人道状況は悪化し、ロヒンギャの生活に壊滅的な影響を及ぼしている」と警鐘を鳴らした。

参照元:Yahoo!ニュース