「良くない睡眠」唾液で判定 産総研などが物質特定、診断への活用も

慢性的に睡眠が良くない状態を判定できる、唾液(だえき)の中にある六つの物質を、国立研究開発法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と茨城大学の研究グループが突き止めた。
医師が睡眠障害の診断をする際の客観的な指標として活用することが期待できるという。
産総研の大石勝隆・上級主任研究員によると、睡眠障害の診断には、長期的な睡眠を評価する必要がある。
現在の代表的な評価方法は、被験者が質問調査で過去1カ月間の睡眠の質などを答えるものだが、この方法では主観によって結果が左右される余地があり、客観的な判断基準の確立が課題となっているという。
大石さんらの研究グループは今回、45~60歳の日本人男性730人を対象に質問調査を実施。睡眠の状態が「良い」人、「良くない」人を50人ずつのグループに分類し、それぞれ起床後の唾液を採取した。
そのうえで検出された435種類の物質をデータ解析し、指標となる六つの物質を発見した。
これらの物質から、質問調査で睡眠の状態が「良くない」人を86.6%判別できたという。
研究成果は4月21日、英国のオンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載された。
参照元:Yahoo!ニュース