石破総理に聞く“コメ価格”どう下げる?国民の生活苦へ処方箋は?

価格が高騰するコメをめぐって、小泉農水大臣が、政府が放出した備蓄米について「店頭で2000円で提供できるような形で売り渡しをさせていただく」と述べた。
小泉農林水産大臣が23日、東京都内のスーパーを視察しました。
小泉農林水産大臣「こんなに棚が空いているのですか。いまは、備蓄米は」
岩崎社長「いまは、ないですね」
直面するコメの問題に、23日、打ち出したのは、具体的な数値目標だ。
小泉進次郎農林水産大臣「6月上旬には、2000円台の備蓄米が店頭に並ぶように、いま、進めています」
“随意契約”を取り入れて、来月には、5キロ2000円台で、コメを買えるようにすると表明した。
その秘策となるのだろうか。楽天・三木谷会長と面会した。
小泉進次郎農林水産大臣「今までの形だけではなくて、ネット販売も含めて、さまざまな流通の形を、模索していかないと」
備蓄米を、ネットで直接、買えるようにして、コストを削る考えですが、公平性への疑問もあるなか、うまくいくのだろうか。
小泉大臣が精米店を訪れると、「コメ安くしたら、農家はコメ作りませんよ」「コメ2000円になって、またコメ不足になるんですか。農家のことも考えてください」などと声をかけられた。
農家も疲弊している。
黒澤ファーム 黒澤信彦社長「コメを作るというのは、非常にお金もかかるし、借金背負いながらやっている人が、ほとんどだと思いますけど、持続可能な農業を実践しようと思えば、それなりの米価がなかったら、やっていくことはすごく難しいのではないか。総理は『コメの値段を下げる』と。コメの生産者からすれば、がっかり」
小泉大臣は23日午後9時半ごろ、こう述べた。
小泉進次郎農林水産大臣「店頭で2000円、提供できる形で売り渡しする予定」
政権の最重要課題の1つと言っていいコメの問題。
石破茂総理に聞く。
大越健介キャスター「非常に物価が高い。とりわけ主食であるコメの価格高騰は堪えるという声が聞こえてきます。そうした中で、農林水産行政に携わる江藤農水大臣が辞任。任命権者としての責任をお聞かせください」
石破茂総理「選んだのは私ですから。『私はコメ買ったことがない』『家に売るほどあるんだ』と言われるとね。それがどういう意図に基づくものだったのかと。撤回をされたんだけど、それは本当にコメが高いと思っていらっしゃる消費者の気持ちをものすごく逆なでしたと思いますね。『色んな方が米を持ってきて下さる。それに色んなものが混じっててね』みたいな。これも一生懸命作った生産者の方の気持ちを逆なでしたところがあってね。そこはもう本当に最初から撤回をして、おわびをして頂きたかったなと思いますね」
大越健介キャスター「後任に任命したのが小泉進次郎さん。総裁選を共に戦った仲でもあり、以前から近い仲でもあると言われています。その小泉さんを選んだ理由はどういうところでしょう」
石破茂総理「色んな仕事を一緒にやってきました。私が幹事長の時の青年局長、地方創生大臣の時の政務官、あるいは私は水産総合調査会長の時の海業の委員長。考えてみれば色んな仕事一緒にやって来たなって思いますね。それはやはり先見性・決断力・発信力でしょうね」
大越健介キャスター「その決断力と発信力を就任早々、フルに発揮されているように見えます。小泉大臣は備蓄の放出をめぐって、早ければ6月に2000円台と述べて、さらに夜になって売渡価格が店頭でジャスト2000円になるようにすると発言しました。これは総理も同じ認識でいるのでしょうか」
石破茂総理「それをやってみなければ分からんが、今まで出したことがなかったからね、こういう場合に。備蓄米を出したんだが、それは入札したから高い順から売れていくわけですよね。そうすると基本的に下がらない。今度は随意契約でやるわけだから、この値段と決めるわけですよね。そうすると安い値段で契約してくれるところが出ればその値段になる。令和5年産米とか令和4年産米、4年とか味はそんなに落ちてはいないが、期間が過ぎたお米。もちろん十分おいしいし安全なんだけれども、その分を減価償却も行われているわけで。そうすると、いくらと決め打ちはできないが、今みたいな4000円台なんてことはあり得ないということです」
大越健介キャスター「小泉大臣が仰るのは、店頭では実際に色々ブレンドされたりとか、色んな種類の米を売っていますが、この備蓄米について言えば2000円で十分行けるよということだと思うんですけど、基本認識は総理も同じということですか」
石破茂総理「そうなればいいんだが、これは農家の方にはお金をお支払いしてるわけで、今作ろうとしているコメ、これから先どうなるかっていうのはお話は別です。すでに農家の方々の手を離れたコメですから、それは安い価格に越したことはないが、それが2000きっちりでいくか2000円台なのか。4000円という一時期の倍になっちゃった。これを3000円台に落としていくのか。方向性は一緒なんだけれども、いくらっていうのはブレンド米、あるいは備蓄米100%、それによって違いますもんね」
大越健介キャスター「総理は21日の党首討論で『3000円台にしなきゃいかん』と仰って、これは銘柄米もブレンド米も全ての平均でという意味ですね」
石破茂総理「そうですね」
大越健介キャスター「備蓄米について言えば、小泉大臣が言うような2000円のところまで行ければいいなということですね」
石破茂総理「うん」
備蓄米の放出について、これまでは競争入札で30万トンが落札されていて、集荷業者であるJA全農が約95%を落札していた。
競争入札は一番高い価格を示した所に売るため、どうしても値段が高くなる。
それから集荷業者から小売りに回るまでに、経費や利益が乗ることなどが価格高止まりの原因だとも指摘されていた。
小泉大臣は今回、大手の小売りに集中して随意契約を結ぶと明言した。
これで店頭価格が2000円になるとしている。
大越健介キャスター「この随意契約というやり方、小泉大臣に指示をされたのは石破総理だと思いますけれども、もともと発想にあった1つなんでしょうか」
石破茂総理「選択肢としてはありましたよね。ただ、備蓄米は国民の財産なので、それは本当に予測しがたい事態が起こった時のために備蓄してあったわけで、そう簡単に安くは国民の財産を売り払うわけにはいきませんよっていうのが一方にあるわけです。でも今4000円台なんていう高い時に、この備蓄米が果たす役割は何なのよと考えた時に、高い方から売っていく競争入札のやり方が良かったかと言えば、それは違うだろうと。国民の財産ではあるが、同時にいかにして消費者の方々に安心して買えるコメを提供することも政府の役割。そうすると、高い順から売れていくという競争入札は、安い・納得できる価格で消費者の方々がコメを買っていただけるということとは反するんだということです」
大越健介キャスター「今のお話ですと、江藤前大臣の時も備蓄米の放出でなかなか効果が上がらず苦労されていました。江藤前大臣に対して指示できたのかなと思うんですけれども」
石破茂総理「江藤前大臣は、こういう場合に備蓄米の放出、これも大変な決断だったわけですよね。江藤前大臣は何度も国会で答弁したけれど、国民の財産をそんなに安く売れますかと。これは江藤前大臣の使命感だったと思います。ただ、それでも下がらなかった。10万トン10万トン10万トンと出したが下がらなかった。それは国民の方々から見れば何やってんだって話になるわけですね。そうすると、優先をするのは国民の皆様方に迅速に納得できるコメを提供する方を優先させることになります」
大越健介キャスター「小泉大臣は随意契約の相手をJAなどの集荷業者をじゃなくて大手の小売り、あるいはネット販売を含む小売りにするんだと。これも総理は当然相談のうちということですね」
石破茂総理「もちろん。これはできないんですかってことは、江藤前大臣の時から、そういうことはできませんかと何度も総理大臣室でやり取りをしたことです。おそらく農林水産大臣室も何度も何度も議論したことだと思いますね。だけども、そういう大手のスーパーとか、あるいは何でしょうね、安売り店とかそういうのがありますよね。大手の小売店。そこに出した時に、そこで精米できますか。そういう色んな問題があって、今までと違うやり方は取るべきではないという判断だったんでしょうね」
大越健介キャスター「ここからは中長期のコメ政策についてお聞きしたいです。これだけ主食のコメという問題が我々の意識の中で色々学んでいるし、その大変さ、価格の維持などについての大変さへの関心が非常に高まっています。21日の党首討論のなかで、総理は『決してコメ足りてないとは言わないけれども、かなりギリギリだ』という趣旨の発言をされてますよね。これは事実上の減反というのはやめて、増産にかじを切っていいんじゃないかという趣旨ですか」
石破茂総理「私はそうあるべきだと思っています。今から15年ぐらい前かな、麻生内閣で農林水産大臣をしていた時から生産調整は見直すべきだということを大臣就任の時から言っています。めちゃめちゃ批判されました。自民党から共産党に至るまで、コメの値段下がるなんてとんでもないっていう世論でした。まして私は自民党の大臣だったからね。史上最低の農林水産大臣とまで言われました。でも生産調整を続けていって、世界中が農地を広げ、世界中がコメを増産している。大体50年ぐらいで、コメの生産量3倍ぐらい増えてるわけですよね。世界では。アメリカも中国もインドもね。日本だけがどんどん減らしてきた。じゃあ日本はそんなにコメ作りに向かないんですかっていえば、そんなことないでしょ。これだけ雨が降って、水が流れて、連作障害、同じ作物を植えると土の力が弱ってきますからね、それがありませんよねっていう国だし。最近、気候はかなり厳しいんだけども、それでも日照とか光とかは稲作に適しているからこそ、日本の国の今日があるわけであってね。そうするとコメの値段はもっと下がりませんか。そして今ギリギリで需給やって来てますから、特に工業製品と違って、農産物は少し供給が減っただけでガーンと料金が上がっていく、そういう特性を持ってます。それはやっぱり危ないじゃないですか」
大越健介キャスター「これは賛成論反対論、両方あると思います。これまで自民党の伝統的ないわゆる“農水族議員”たちは、コメの価格を維持しないことにはダメだから生産調整が必要だと。農家もダブついたら値崩れしてやっていけない。だから今の生産調整は批判はあるけどやるべきだという意見がある。実際、農家も下げないでくれと。これ以上下がるようなことしないでくれという声もありますよね。全部とは言いませんが、そういった農家の声を受け止める、その人たちの生業を守るための対策も必要だと思うんですけどどうでしょう」
石破茂総理「農業を守っていくというのは単に農家のためだけの話じゃない。農業を守っていく、コメ作りを守っていくというのは、日本全体にとって必要なことだと思うんですよ。そうするとコメの値段が下がってくる、もう作っていけないということになれば、日本全体が大変なことになります。そうすると、国民の皆さん方の負担によって、一生懸命色んな努力をしてきた農家さん、コメの値段下がっちゃったと。ここに国民全体の負担によって補填をしていく。それは政策としてあっていいと私は思います。また、世界ではまだ食料にアクセスできない、そういう人いっぱいいるじゃないですか。そういう人たちにコメを提供していく、あるいはパリでもニューヨークでもそうじゃないですか。日本のおにぎり飛ぶように売れるんだから。そういう方々に輸出をしていくっていうのは、コメの国内における供給の余裕を持たせることでもあるわけですね。そういうことをやる場合に値段下がっちゃったと。それは工業製品がそうであったように、コストダウンをしていく努力はするべきでしょう。でも、それで下がって続けていけないとなっちゃいかんのだから、皆の利益であれば、皆の負担ということ。私は選択肢としてあるべきだと思っている」
大越健介キャスター「生意気ながらまとめさせていただくと、コメ農家の方にはどんどん作っていただくと。作って頂いて、もし余剰が出れば輸出として世界に行き渡らせることもあるし、一方でコメの値段が仮にちょっとでも安くなったら、それを補てんするための国民の負担を求めていく。大きく言えばそういうことですか」
石破茂総理「コストを下げるためには土地改良なんだけれども、そういうことをやっていかないと。田んぼと田んぼがすごく離れてたら非効率じゃないですか。そういうものを集約していく、そのコストは国民皆で負担しましょうねっていうことじゃありませんか。もし余ったら輸出するということじゃなくて、品質の高いコメを世界に提供していく。もし余ったらではなくて、最初から輸出を目指してやっていくのが政策としてあるべきだと思っている。ただ、これはずっと自民党の中でも議論もあった。農林水産委員会の中でも議論もあった。今担当大臣は小泉さんだ。総理がこういうからってことだけではなくて、本当に生産者も消費者もそうだよねって納得してもらえる、そういう政策を出していきたいなと思っています」
大越健介キャスター「一方で、物価が高いのはコメだけではなくて、他に例えば4月の消費者物価指数が出て、5カ月連続で3%台超えています」
徳永有美キャスター「経済成長のために物価が上がるというのは、ある意味しょうがないことだとは思いますが、例えば本来の問題は、例えば4000円のコメにあるのではなくて、4000円のコメが高くて買えず困ったなと感じてしまう、国民の経済力の方に問題があると思います。そのあたりのところを総理に果たして頂きたい責任だと感じてしまうのですが、いかがでしょうか」
石破茂総理「私は就任以来、物価上昇を上回る賃金上昇って申し上げてきましたよね。春闘も山場を越えた、もうすぐ全て終わる。その時の伸び率は去年が33年ぶりの賃金上昇でしたよね。それを上回る勢いで今賃金が上昇してきたわけですよね。大企業だけじゃなくて。でも物価も上昇しているので、この賃金上昇の勢いは続けていかなきゃいかんということです。じゃあ皆が皆、賃金上昇に恩恵があるかというと、そうではないよねって方々もおられるわけで。そういう方々を対象に、いかにして所得減税をやっていくか。いかにして給付金をお支払いするか。いかにして負担を減らしていくかということと、今月23日からガソリン下がり始めたんですよね。今までは7月に電気代を下げるってことをやってこなかったが、7月から暑いですから、7月から電気代も下がるようにします。そして本当に物価上昇を上回る賃金上昇と言われたって、自分たちはあまり関係ないんだよねっていう方々に、きちんとした物価対策をやっていくことが私は大事で。王道は物価上昇を上回る賃金上昇。でも、そういうのあんまり縁がないんだよねって方々には、きちんとした所得減税。そしてまた使い道というものが地域によって決められる交付金。そういうものをきめ細かく準備をしてきたのが、令和6年度の補正予算で、令和7年度予算であり、これを今、執行しているところです」
大越健介キャスター「目に見える減税で、野党から一番、声が上がっているのは、消費税の減税です。これについて基本的な考えを教えてください」
石破茂総理「消費税の減税というのをした時に、たくさん消費する方々のほうが大きなメリットを得ませんか。食品なんかは特にそうですよね。全ての方に恩恵はあるだろうけども、本当に困ってる方に効果的な、色んな手当になるだろうかと。それは違うんじゃないかと。もう一つは、それによってものすごく税収が減るわけですね。消費税って医療であり、年金であり、介護であり、困ってらっしゃる方いっぱいおられるじゃないですか。消費税全部当ててもまだ足りない。減税だといっても、医療も年金も介護も今まで通り充実させる。負担は次の人の時代をやってもらう。それおかしくないですか」
大越健介キャスター「野党が言う消費税の減税というのは、森山幹事長も『ポピュリズムだ』という言い方もされる。これについてはどう思いますか」
石破茂総理「それは大勢の方々が喜ぶ。それはそうです。でも次の時代の人たちはどうなりますか。消費税によってまかなってきた。今でもまかないきれてない。医療・年金・介護、そういう方々はどうなりますか。そういう方々に今、医療でも介護でも現場は大変じゃないですか。そういう方々にどうやって手当てをするのですか。『じゃあ消費税減税します』と言った時に、今まで消費税上げてきました。私が当選1回の時に3%導入されることになり、5%になり、8%になり。消費税の税率を変える時に1年ぐらいかかるんですね。あっちこっちシステムを変えていかなきゃいけない。『今、減税します』と言って、何カ月後かでないと効果は出ない。その時どうなってます。私たちはすぐに効果があるもの。そういうものを目指していかなきゃいけない。現場の方々に過度な負担がかかることあってはならないと思います」
大越健介キャスター「きめ細かく給付を行ったり、品目ごとに値段を下げていくと盛んに仰っていますが、令和7年度の補正予算を組む考えはないですか」
石破茂総理「令和7年度予算が3月末に成立して4月5月、今現場に行き渡り始めたということですね。電気代も下がる。そして、ガソリンも下がる。そういうことを行き渡らせていく。補正予算って当初予算を組んだ時に予想できない事態が生じた場合に組むものじゃないですか。『補正予算も見込んで、当初予算を組んでました』と言ったら、財政どうなっちゃうんですか。私たちとしては、まず令和7年度予算をきちんと執行する。物価高に苦しんでおられる方々に、きちんとした手当てをする。そして、小泉大臣が言ったように『コメ大変だよね』という方々が納得できるコメの価格、そして生産者の方々が納得できる。そういうような手当てをすることが必要だということ。まずコメの値段を下げることはやりますが、じゃあ生産者の方々はどうするんですかってことは、それは財源が必要になるのかもしれません。だけど今それを議論している、始めようとしている。そういう時に補正予算こうしますというのは、私は少し違うのではないかなと思います」
現在、審議中の年金制度改革法案について、年収106万円の壁を撤廃して、厚生年金の適用範囲を拡大させることや、働く高齢者の厚生年金をカットする制度の見直しなどが盛り込まれている。
一方で、就職氷河期世代への支援につながるとされていた厚生年金の積立金を活用した基礎年金の底上げについては見送りとなった。
徳永有美キャスター「私は就職氷河期世代で、私の周りでも長い期間苦しんでいて、仕事につけず困っている人間が確実にいます。今回の見送りで、見捨てられてしまったと落胆している人が多くいると思います。そういう人たちをどのように救おうと考えていますか」
石破茂総理「年金の給付がどんどん下がっていくことは止めていかなきゃいけないし、先ほど来、何度も申し上げてるように、賃金上昇、経済が好調に推移することになった場合、目減りは起こりません。いかにして経済を好調に推移させるかということですし、氷河期世代の方々が年金を受け取られるまでに、きちんとした手当てというのは考えていかなければなりません。ですけど、氷河期の方々が年金を受け取られるようになるまで、まだ時間がありますよね。その時に、別の厚生年金から積み立てたお金を回していいんでしょうかという見解もいっぱいあるわけです。そういうことに、きちんと答えを出したうえで、就職氷河期の方々を見捨てるなんてことは絶対にありません。そういう方々がどんなに困っていらっしゃるかということ、そして、氷河期の方々がだんだん年を重ねていかれるわけですよね。親御さんもなかなか元気じゃないかもしれない。あるいは住んでいるお家もだんだん傷んでくるかもしれない。そういう時が大変だってことは、我々はよく分かったうえで政策を打ってますから。見捨てるなんてことは絶対にありません」
大越健介キャスター「これまで衆議院、少数与党のなかで政権運営をされてきて、予算を通すのに大変な思いをしたと思います。この経験を生かして、今まで協力できた政党と連立政権を組むことを考えられたらいかがですか」
石破茂総理「それは色んな考え方があります。今まで我々は自民党と友党・公明党で連立政権をやってきたし、もう四半世紀にわたる、途中、野党のことありましたけど、判断が分かれたことはない。良い時も苦しい時も一緒にやって来たのが自公連立だから。これが崩れることがあってはならない。ただ、少数与党になってしまって、国民民主党であったり、あるいは維新の党であったり、その時その時に都合のいいところと組むということではなくて、政策が一致するところ。それはものすごい綿密な議論を積み重ねて、一緒にやってきた。法案も予算も通して。私は基本形はこういう形だと思っています。それが仮に、自公に新たに加わっていただくということになるならば、それはどういう政治状況になるのだろうかということを、今から予断を持って言うことは私はいたしません」
大越健介キャスター「加わるということをあえて排除するものでもないということですか」
石破茂総理「それはそのときの政治状況によるんじゃないんですか。与党が上院も下院も、日本で言えば衆議院も参議院も、どっちも過半数を持っているというのは、今、世界の政治状況を見ても、あまり例がないですよね。その都度、真剣な政策議論をやって、過半数の賛成を得ていく。これも、かなり多くの国がやっていることですよ。仮に、連立に新たに入っていただくということになるなら、私は谷垣総裁のもとで野党自民党の政調会長でやってきた。東日本大震災があった時に、時の菅直人総理大臣から連立を組まないかという連絡を、私は谷垣さんの総裁室で聞いたんですね。それは、たった1つのテーマで連立に加わるなんてことありませんと。震災対策だけでなく、外交もあれば、安全保障もあれば、教育政策もあれば、農政もあれば、そういうことで、きちんと一致しない連立なんてあり得ませんということを申し上げた覚えがあります。それは今回もそうじゃないですか。私たちは自公を基本に、本当に国民のためになる法律・予算、そういうことを通していくために、これから先も一生懸命やりたいと思っています」
参照元:Yahoo!ニュース