巨大な「モンスター銀河」を発見 猛烈なガスの嵐で星を大量生産

宇宙をイメージした画像

太陽系がある天の川銀河とそっくりの形をしながら、内部では星の材料となるガスが猛烈に吹き荒れ、爆発的に星を生み出している新しいタイプの銀河を名古屋大と国立天文台などのチームが発見した。

ガスの量は1年間で太陽が600個もできるほどで、初期の宇宙に存在していた「モンスター銀河」の中でも特に巨大だとみられる。

この銀河は、くじら座の方向にある、111億光年離れた「J0107a」。

大量のちりに覆われているため観測が極めて難しく、形状や特徴は謎に包まれていた。

チームは、米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡と、日米欧が南米チリに建設した電波望遠鏡「アルマ」を使い、詳細な形状や星の形成状況などを分析した。

その結果、天の川銀河と同じように中央部が棒状構造で、星の質量はその10倍以上もある超巨大な「棒渦巻き銀河」であることが分かった。

また中心部に向かって、半径2万光年もの範囲で、星をつくる大量のガスが秒速数百キロで流れ込んでいることも突き止めた。

初期宇宙で大量の星をつくっていたモンスター銀河はこれまで、銀河同士が衝突した合体銀河と考えられていた。

しかし、J0107aは他の銀河と衝突した痕跡はなく、巨大な棒状構造が、モンスター銀河形成の鍵を握る可能性が新たに浮上したという。

国立天文台の黄爍・特任研究員(電波天文学)は「銀河の形成論に見直しを迫るのではないか」と話している。

研究成果は21日付の英科学誌ネイチャーに発表された。

参照元:Yahoo!ニュース