米政府との協議は最終局面、承認を期待 USスチール買収で日鉄社長

日本製鉄の今井正社長は23日、米鉄鋼大手USスチール買収協議について「現在、米政府との協議が最終局面を迎えている」とし、トランプ米大統領による承認を期待していると述べた。
日本鉄鋼連盟の会長会見後に述べた。
今井社長は「これまで米政府と真摯に協議を重ねてきており、現在、トランプ大統領の最終的な判断を待っている。投資と最新技術のトランスファーを通じて、USスチールが中長期的に競争力を確保できるこの案件が承認されることを期待している」と述べた。
対米外国投資委員会(CFIUS)は21日、日鉄によるUSスチール買収案を巡る勧告書をトランプ大統領に提出した。
国家安全保障に与える影響に関して意見が分かれたものの、大多数のメンバーは国家安全保障上のリスクが軽減策によって対処できると認識しているという。
トランプ大統領は6月5日までに買収の可否について判断することになるが、ずれ込む可能性もある。
中国からの鋼材輸入に対して、鉄連では、政府に対応策を講じるよう求めてきた。
今井鉄連会長は「今は具体的な対策を発動するべく話し合いを進めている」ことを明らかにした。
中国による鋼材輸出は増加しており「国内のサプライチェーンが棄損されてしまう」との懸念を示し、発動の時期などには言及しなかったものの「時間的な猶予は少なくなってきている。極力早急に有効な対策を打ってもらいたいと国にはお願いしている」とした。
参照元:REUTERS(ロイター)