「ポスト・トランプ」早くも火花 バンス、ルビオ両氏が存在感 米政権

ホワイトハウスの外観を撮影した画像

トランプ米大統領(78)が3選への意欲を否定し、「後継」の筆頭に挙げたバンス副大統領(40)とルビオ国務長官(53)が存在感を示している。

バンス氏は高齢なトランプ氏に代わり、積極的に外交を展開。

ルビオ氏も事実上更迭されたウォルツ氏の後任として大統領補佐官(国家安全保障担当)代行を任され、発言力を増した。

将来のライバルは、早くも火花を散らす。

「大統領は私に大きな信頼を寄せてくれている」。

バンス氏は21日、NBCテレビのインタビューでトランプ氏との良好な関係を強調した。

ここ数カ月で欧州やインドを訪問。

18日にウクライナのゼレンスキー大統領、19日にはローマ教皇レオ14世と相次ぎ会談し、外交経験を重ねてきた。

調査会社ユーガブが4月に公表した世論調査によると、次期大統領候補にふさわしい人物として共和党支持層の44%がバンス氏を選択し、他の候補を引き離した。

「トランプ後」を最右翼で見据えるバンス氏は、国内の製造業の現場などへも足を運び、支持拡大へ着々と布石を打つ。

一方、ルビオ氏はトランプ氏に忠誠を尽くすことでじわりと地歩を固める。

2016年大統領選の共和党予備選でトランプ氏と指名を争ったルビオ氏は、党内のトランプ派に疎んじられ、就任当初から「後任探しが始まっている」(米政府関係者)とやゆされてきた。

自身が所掌する国際開発局(USAID)の人員整理を巡っては、実業家イーロン・マスク氏と衝突した。

出だしでつまずいたルビオ氏は、トランプ氏が週末を過ごす南部フロリダ州の私邸マールアラーゴに足しげく通う。

メディアに出演しては「平和の大統領だ」と礼賛し、本来の対ロ強硬姿勢を抑えて「米国第一」外交に徹した。

こうして、トランプ氏に「マルコ(・ルビオ氏)に電話すれば問題を解決してくれる」と言わしめる信頼を勝ち取った。

キューバ系としてかつて移民擁護の立場を取ったにもかかわらず、現政権の排他的な移民政策に同調したことには批判もある。

「同じ人物と思えない」(ブルームバーグ通信)と評されるほどの転向ぶりは、野心の裏返しとも言える。

後継争いの過程で、2人が同盟国に負担強化を求める姿勢を競う可能性もある。

現時点で両氏は良好な関係をアピールしているが、今後の動向に内外の関心が集まりそうだ。

参照元:Yahoo!ニュース