「考えられない」いわき信組不正、顧客 驚きと憤り「うみ全て出し切って」

不正融資などについて調査が続いていたいわき信用組合(いわき市)で新たに浮上した口座偽造と架空融資の疑い。
顧客の情報を無断で使うという極めて悪質な行為が組織的に行われていた可能性が明るみになった19日、関係者からは「常識では考えられない」と驚きや憤りの声が上がった。
「他人の名前や印鑑を使うなんて悪質。まして、亡くなった人が融資を受けたかのようにするなんて」。
同信組と取引のある市内の60代の男性経営者は憤りを隠さない。
「江尻元会長が理事長を務めていた時期の話ではないか。説明責任を果たさないまま辞任するのはいかがなものか」。
男性は、理事長、会長を歴任し、昨年11月に辞任した江尻次郎氏を批判する。
江尻氏は10億円超の不正融資が発覚した責任を取って辞任したが、今回明るみになった口座偽造による架空融資の疑いについての信組側からの説明はない。
男性は、土地所有者になりすまして無断で売買し利益を得る「地面師」を例えに出し、「地面師の手口を思い出させるような詐欺行為だ」と断じた。
信組と長年取引のある市内の70代の男性経営者も「17億円という額は大きく、信組側からの説明を求めたい」と述べた。
一方、信組OBの同市の70代男性は、内部で不正が行われていたことを認識しつつ職場を失う不安から黙っていたというが、「(架空融資の残高が)17億円というのには驚いた」と吐露。
不正に使われたとされる「B資金」の存在や、亡くなった人の口座を使うという手口については知らなかったという。
「うみは全て出し切って、その上で組織が良くなることを望む」と、今後の調査への期待を口にした。
信組には19日、口座偽造という新たな疑いの発覚を受け顧客から経営を心配する声が寄せられたという。
口座偽造などの疑惑に関する福島民友新聞社の取材に対し、担当者は「(不正を調査している)第三者委員会の調査結果の公表前に個別に答えることはできない」とした。
参照元∶Yahoo!ニュース