DEIプログラム撤回のベライゾン、FCCがフロンティア買収承認

企業を買収している人

日、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが米同業フロンティア・コミュニケーションズを総額約200億ドル相当で買収することを承認すると発表した。

ベライゾンは2026年早期の買収完了を見込んでいる。

FCCのカー委員長は今年2月、トランプ大統領(共和党)が大統領令で禁止したDEI(多様性・公平性・包摂性)プログラムをベライゾンが推進しているとして調査を開始し、フロンティアの買収を認めない理由になる可能性があるとけん制していた。

ロイターが確認したベライゾンのカー氏宛ての書簡によると、ベライゾンは公式ウェブサイトにあった「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂性)」の項目を削除し、従業員研修でのDEIへの言及を取りやめ、雇用とキャリア開発、サプライヤーの多様性、企業のスポンサーシップの慣行について他の変更を実施すると言及した。

ベライゾンは買収が完了すれば、フロンティアにも全ての項目を適用すると説明した。

ベライゾンは従業員の多様性に関する目標を廃止し、経営陣の報酬プランに含まれていた米国従業員の女性と性的少数者の割合を増やす目標も取りやめる。

カー氏は「この買収を承認することを通じ、FCCは米国人が一連の良識ある常識的な勝利の利益を得ることを保証する。この取引は全米の地域社会に数十億ドルもの新しいインフラの建設をもたらす」とコメントした。

FCCのアンナ・ゴメス委員(民主党)はベライゾンについて「雇用慣行を細かく管理し、FCCの承認を必要とする企業に重い規制の負担を課そうとする(トランプ)政権の試みに屈服した企業がまた一つ増えた」と厳しい目を向けた。

エド・マーキー上院議員(民主党)は、FCCが「言論統制のために合併権限を武器にしている 」と今回の発表を批判した。

ベライゾンは昨年9月、フロンティアを約96億ドルで買収し、フロンティアの負債約100億ドルを引き受けることで合意していた。

参照元:REUTERS(ロイター)