ノボノルディスクのCEO退任へ 肥満症薬での優位性失う恐れ

デンマークの製薬大手ノボノルディスクは16日、ラース・ヨルゲンセン最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した。
後任が決まるまではCEO職にとどまる。
広報担当者によると、投資部門を通じて同社の経営権を握るノボノルディスク財団が今年4月の会合でヨルゲンセン氏の早期退任を要求した。
ヨルゲンセン氏の指揮下で肥満症治療薬の「ウゴービ」と「ゼップバウンド」の販売が大きく伸び、収益性の高い肥満症治療薬市場で快走したもの、今後は優位性が失われることが懸念されている。
同社の株価は昨年6月に過去最高値を付けた後、大きく下落している。
特に米同業イーライリリーなどとの競争によって市場シェアが浸食されている上、新薬の開発計画を打ち出しても投資家は好材料とは受け止めなかった。
ノボノルディスクは声明で、人事について「当社が直面してきた最近の市場における試練や、2024年半ば以降の当社の株価動向を鑑みて決定した」と説明した。
ヘルゲ・ルンド会長は電話会見で、ヨルゲンセン氏がCEOを退任しても同社の戦略が損なわれるわけではなく、戦略を実行する計画に変わりはないとしてCEO交代を疑問視するアナリストや投資家に理解を求めた。
ルンド氏はロイターに対し、CEO交代に関する協議はここ数週間進められたと話した。
参照元:REUTERS(ロイター)