1泊200万円の最高級客室備えたホテルが日本初進出 開発活況の背景に日本特有の事情

ビジネスホテルをイメージした画像

外資系を中心に高級ホテルの開発が活況を呈している。

訪日客消費が拡大する中、海外富裕層に照準を定め、大阪では日本に初進出し、最高級客室の宿泊料金を1泊約200万円に設定したホテルが開業。

京都でも日本初の高級ホテルブランドが続々と開発される。

背景に投資を呼び込む日本特有の事情がある。

米ヒルトンは15日、JR大阪駅北側の一等地に建つグラングリーン大阪南館で4月に開業した最上級ホテル「ウォルドーフ・アストリア大阪」(大阪市北区)を報道陣に公開した。

アールデコ調と日本の伝統技法を融合させた内装が特徴。

193平方メートルの最高級客室「プレジデンシャルスイート」は1泊1室約200万円(税・サービス料別)からで、2025年大阪・関西万博に合わせ「海外の首脳級が利用された」と担当者は明かす。

同約50万円からのペントハウスを長期で2室借り切り、家族で旅行を楽しむケースもあるという。

高級ホテル市場は世界的に拡大している。

英調査会社ユーロモニターインターナショナルによると、2024年の市場規模は前年比11.6%増。日本は同12.9%増と世界平均を上回る。

「日本では高級ホテルと競合し、訪日客の人気を博す旅館が存在している」と解説するのは、同社の木村幸(さち)シニアコンサルタント。

そのため、ホテル全体の売り上げに占める高級ホテルの割合が4.8%と、世界平均の14.5%に比べて小さく、訪日需要の受け皿を求めて投資を呼び込んでいる側面がある。

関西でも、世界的知名度を誇る高級ホテルの日本初となる誘致が盛んだ。

代表例が昨年8月に開業した「フォーシーズンズホテル大阪」(大阪市北区)や、今月1日に出店したばかりの「パティーナ大阪」(同市中央区)であり、27年には「リージェント京都」(京都市左京区)の開業が計画される。

東京建物やNTT都市開発などの大手デベロッパーが誘致した。

ヒルトンは今後10年間で、現在40軒ある日本国内の拠点を、提携も含めて100軒に増やす構想を描く。

同社の日本・韓国・ミクロネシア地区代表のジョセフ・カイララ氏は高級ホテルの割合は不明としながら「日本のホテル代は国内で割高感が高まっているが、海外の富裕層はパリやロンドンと比べて手ごろとみている」と指摘。

「ホテル運営会社もオーナーも、収益をもっと高められる最上級ホテルに注目しているのは間違いない」と強調した。

参照元:Yahoo!ニュース