ロシア経済は脆弱化の一途、スウェーデン研究所がEUに報告書

ロシア経済は、戦時体制への切り替えや西側諸国の制裁によって足場が弱まり続けている――。
スウェーデンのストックホルム移行経済研究所(SITE)は13日、欧州連合(EU)財務相会合向けにまとめた報告書を公表し、こうした見解を示した。
報告書は、ロシア経済はまだ比較的安定しているものの、底堅く見えるのは表面上だけで、基調的な不均衡と構造的なもろさが拡大を続けていると分析。
「戦争に伴う財政刺激が短期的に経済を浮揚させ続けている。しかし不透明な資金繰りや資源配分の歪み、財政バッファーの縮小が、長期的な(経済の)持続を不可能にしている」と述べた。
ロシアの国内総生産(GDP)は2023年が3.6%増、24年が4.3%増と、西側の制裁は効果がないかのように堅調だった。
ただ報告書提出者のトルビヨン・ベッカー氏は、ロシアのGDPの数値は信用できないと主張し、物価上昇率が実態より低めに公表され、実質GDPが過大に報告されていると指摘した。
ベッカー氏は、ロシアの財政赤字も公式統計の最大2倍に上るはずだと見積もっている。
EU欧州委員会のドムブロフスキス委員(経済担当)は、欧州委としてSITEの報告書の意見に賛同すると述べた。
ドムブロフスキス氏は「この分析はロシアの統計に信頼性がなく、ロシア経済は公式統計が示すほど良好ではないことを明らかにしている」と語った。
参照元:REUTERS(ロイター)