デンマークでeメタノール工場稼働 世界初の商業生産 三井物産出資

デンマーク南部カッソで13日、再生可能エネルギーを使って作る燃料「eメタノール」の生産工場が稼働を開始した。
商業規模では世界初。
同国海運大手マースクが同社のコンテナ船の低炭素排出燃料として、一部を購入する。
工場はデンマークの再生エネルギー企業ヨーロピアン・エナジーと三井物産が共同出資して建設した。
国際海事機関(IMO)は、2050年までに炭素排出を削減する目標を掲げる。
大半の国が目標達成に向けた措置を支持しており、海運部門は、新たな燃料調達源を見いだすことを迫られている。
eメタノールなど炭素を排出しない船舶用燃料は大量生産していないため従来の燃料より高くなる傾向にある。
ヨーロピアン・エナジーのクヌード・エリック・アンダーセン最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、「35年ごろには、化石燃料を原料として生産されるメタノールと同等の価格になるとみている」と期待感を示した。
工場の総工費は1億5000万ユーロ(1億6700万ドル)。
再生可能エネルギーのほか、バイオガス工場から排出され、廃棄物焼却により発生する二酸化炭素(CO2)を回収し、年間4万2000トン(5300万リットル)のeメタノールを生産する。
マースクは、持続可能燃料への移行における最大の課題の一つはコストだと指摘。
生産コストをさらに抑えるため、グリーン燃料技術を研究し、より効率的な輸送を模索していくと述べた。
アンダーセン氏は、カッソ工場拡張のほか欧州やオーストラリア、ブラジル、米国にも同様の工場を建設する計画だと明らかにした。
参照元:REUTERS(ロイター)