難民認定の南ア白人59人が米到着、移民規制の中の優先に批判も

アメリカの国旗を撮影した画像

トランプ米政権は12日、難民と認定した南アフリカの白人59人を迎え入れた。

移民や難民の受け入れを厳しく制限する中、同措置を巡っては米民主党から批判が相次いでいるほか、南ア国内でも波紋が広がっている。

トランプ大統領はホワイトハウスで、飢餓や戦争から逃れてきた他のアフリカの人々よりも南アの少数派の白人が優先されている理由を記者団から問われ、南アの白人に対する「ジェノサイド(民族大量虐殺)が行われている」と証拠を示さずに主張した。

トランプ氏は白人だから好意的に扱っているわけではないとし、人種は関係ないと述べた。

これに対し、南アフリカのラマポーザ大統領はコートジボワールでの会議で、一部の白人が同国を去った理由は、30年前のアパルトヘイト(人種隔離政策)終結以降も続く人種的不平等を是正するための政策に反対したためだと指摘。

米国政府は誤解しているとしつつも、「引き続き話し合いを続けていく」との考えを示した。

上院外交委員会の民主党トップであるシャヒーン上院議員は声明で、トランプ政権の決定は「不可解だ」と述べた。

「特定のグループを優先的に扱う政権の決定は明らかに政治的な意図に基づくものであり、歴史を書き換えようとする試みだ」と批判した。

トランプ大統領は2月、南アへの資金援助を凍結する大統領令に署名。

米政府が南アの白人農民とその家族を難民として再定住させる計画も策定すると説明していた。

参照元:REUTERS(ロイター)