「アルツハイマー型認知症の原因」となる可能性の高い食べものはご存知ですか?

アルツハイマー型認知症の原因とは?
Medical DOC監修医の村上友太先生が、アルツハイマー型認知症の原因・症状・なりやすい人の特徴・原因となる可能性の高い食べ物や予防法などを解説する。
アルツハイマー型認知症は、脳内に異常なタンパク質が蓄積することで脳細胞が徐々に死んでいく進行性の病気だ。
主な症状は記憶障害、判断力の低下、言語能力の衰えなどで、日常生活に大きな支障をきたす。
この病気は現在のところ完治する方法はなく、症状の進行を遅らせる治療が中心だ。
認知症は、さまざまな脳の病気によって、脳の神経細胞の働きが次第に低下し、認知機能(記憶力や判断力)が落ちてしまい、社会生活が難しくなってしまう状態のことを言う。
生まれつきではなく、生まれた後に認知機能が低下したものを認知症と呼ぶ。
この認知症のなかで最も多いタイプとして、アルツハイマー型認知症がある。
アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβ、リン酸化タウという異常なタンパク質が溜まり、認知症をきたしてしまう。
つまり、認知症の中の一つとして、アルツハイマー型認知症があるということになる。
アルツハイマー型認知症は、脳細胞内や周囲に異常なタンパク質がたまることが引き起こされると考えられている。
この蓄積が起こる原因は正確にはわかっていないが、リスクを高める要因としてはいくつかあるということがわかっている。
加齢は、最も大きな要因と言える。
アルツハイマー型認知症を発症する可能性は、65歳を過ぎると5年ごとに2倍となる。
一方で、40歳前後の方でもアルツハイマー型認知症を発症することはもちろんある。
両親から受け継いだ遺伝子が、アルツハイマー型認知症を発症するリスクの増加に繋がっている可能性はある。
一部の家族では、アルツハイマー型認知症はある特定の遺伝子が受け継がれることで引き起こされることが知られている。
もしも家族の何人かが何世代にもわたり、特に若い年齢で認知症を発症している場合には、アルツハイマー型認知症を発症する可能性がある。
この場合には、遺伝カウンセリングを受けることをお勧めする。
ダウン症候群という病気の人では、アルツハイマー型認知症の発症率が高くなると言われている。
これは、ダウン症候群を引き起こす原因となる遺伝子の変化が、長い時間をかけて脳内にアミロイドプラークの蓄積につながり、一部の方ではアルツハイマー病につながる可能性があるためだ。
高血圧、特に、中高年の高血圧は、認知機能低下やアルツハイマー病などの認知症のリスクを上げることと関連しているといわれている。
脳の小血管疾患が原因の一つではないかと言われている。
血圧が低すぎることも、また認知機能や記憶力に対して悪影響を与えると言われているので、適切な血圧に保てるように健康診断などできちんとチェックすることが大切だ。
糖尿病は、インスリンという血糖値を下げる働きをするホルモンが十分に働かなくなり、血液中を流れるブドウ糖が増えてしまうという病気だ。
中でも、2型糖尿病は肥満や運動不足などが原因となり、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりすることで血糖値が高くなる。
この2型糖尿病は認知症の発症率リスクを上げることが知られている。
血糖値の高い状態では、喉の渇きや体重減少などの症状がでることもあるが、無症状の場合もある。
そのため、健康診断などで血糖値の異常を指摘された場合には、放置せずに生活習慣改善や内科受診をするようにしよう。
高脂肪・高カロリーの食品は体内の炎症を促進し、心血管疾患のリスクを高めるとされている。
これらの疾患はアルツハイマー病のリスクも高めることが示されている。
具体的な食品名には、ファーストフード、揚げ物、バターや高脂肪の乳製品などがある。
加工肉には保存のためにナトリウムや保存料が多く含まれており、これらの化学物質が神経毒性を持つ可能性がある。
また、加工肉の摂取は慢性炎症を引き起こし、認知機能の低下につながる恐れもある。
具体的には、ソーセージ、ベーコン、ハムなどがある。
砂糖の過剰摂取はインスリン抵抗性を引き起こし、これが脳の機能に悪影響を与える可能性がある。
また、高血糖は認知機能の低下と関連しているとされている。
ソフトドリンク、スナック菓子、甘いデザート類などがある。
地中海式ダイエットというものがある。
このダイエットでは、具体的にはオリーブオイル、新鮮な果物と野菜、魚介類、全粒穀物、ナッツ類をとることが推奨されている。
地中海式ダイエットは、地中海式ダイエットで勧められている食品は、総じて抗酸化物質と抗炎症成分が豊富だ。
このことが心血管疾患のリスク低下と関連しており、脳血管を健康に保ち、認知症のリスクを減少させるとされている。
ポリフェノールを摂取することで、アルツハイマー病、ひいてはアルツハイマー型認知症が予防される可能性があるという研究がある。
ポリフェノールは活性酸素を取り除き、酸化を抑える働きがある。
ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンや、大豆に含まれるイソフラボンやサポニン、ゴマの成分のセサミノール、そばに含まれるルチン、緑茶のカテキンなどがある。
オメガ3脂肪酸は脳の健康を維持するために重要であり、特にDHAとEPAは脳の機能をサポートし、認知症リスクの低減に役立つとされている。
具体的な食品名としては、サーモン、くるみ、亜麻仁などがある。
アルツハイマー型認知症のリスクとしては、加齢がやはり最も大きいものだ。
これについては対策することが難しいが、以下のような方法はアルツハイマー型認知症のリスクを下げることに役立つだろう。
心血管疾患は、アルツハイマー病や血管性認知症のリスクを上げると考えられている。
心血管疾患への対策を取ることで、脳卒中などの他の疾患の発生を予防することにもつながる。
そのための方法として、禁煙や節酒などが効果的といえるだろう。
また、バランスの良い食事をとることも大切だ。
心血管疾患のリスクを下げるために、定期的な運動も効果的です。中程度の強度の有酸素運動(サイクリングや早歩きなど)を、毎週少なくとも150分くらい行うようにしよう。
生涯を通じて、精神的・社会的に活動的な人は認知症になりにくいと示唆する研究がいくつかある。
そのためには、例えば地域社会でのボランティア活動に参加したり、ボーリングなどの団体スポーツに参加したりといったことなどがあげられる。
社会的に孤独にならないことも、認知症の発症リスクを低下させるために役立つだろう。
Q.アルツハイマー型認知症になりやすい人の性格について教えてください。
アルツハイマー型認知症と関連が指摘される性格特性には、高い神経症傾向、内向的な性格、適応力の低さがあります。
これらはストレスの多い反応や社会的交流の欠如、新しい状況への対応力の低さから、認知機能の低下につながる可能性があるため、生活習慣を改善していくことがすすめられます。
Q.コーヒーを含めたカフェイン摂取はアルツハイマー型認知症の予防に効果はあるのでしょうか?
カフェイン摂取、特にコーヒーはアルツハイマー型認知症の予防に一定の効果があると考えられています。
カフェインは脳内の神経保護作用を持ち、認知機能の低下を遅らせる可能性があります。
ただし、摂取量や個人の健康状態によって影響は異なるため、適量を心がけることが重要です。
なお、アルミニウムがアルツハイマー型認知症のリスクを高めると言われていた時期があったのですが、現在ではその因果関係を証明する根拠はない、と言われています。
今回の記事では、アルツハイマー型認知症の原因となりうる要因や、予防のために摂りたい食品、そして予防のために役立つ生活習慣などについて解説した。
アルツハイマー型認知症の原因についてはまだ研究の段階であるものの、今回ご紹介した食品や生活習慣は、予防のために有用である可能性がある。
認知症のみならず、心疾患や脳血管障害などの予防にも役立つので、健康的な食生活や運動習慣を心がけていこう。
また、少しでもおかしいと感じる場合や、身内にアルツハイマー型認知症の方が多くいらっしゃる場合には、脳神経内科など専門医を受診しよう。
参照元:Yahoo!ニュース