「それでもお米は高いと感じますか」広告物議 JA全農山形「適正価格考えるきっかけに」

お米をイメージした画像

コメの市場価格の高騰が続く中、米産地のJA全農山形が地元紙などに掲出した「それでもお米は高いと感じますか?」というメッセージを含む意見広告が「消費者の心理を逆なでする」などとして、SNS(交流サイト)上で物議を醸している。

JA全農山形の担当者は産経新聞の取材に「適正価格を考えるきっかけにしたかった」と意図を説明した。

JA全農山形の意見広告は4月、見開きの全面カラー広告として地元紙に掲載した。

「今日のあたりまえが、未来へもつながるように」と題した内容で、「ごはんお茶碗1杯の価格は約49円」と紹介し、「菓子パン約231円、カップ麺約187円、ハンバーガーは約231円」と比較した上で、「それでもお米は高いと感じますか?」と提起。

「未来につなげる持続可能な価格を、皆さんも一緒に考えてもらえませんか?」と訴えている。

この広告について、SNSでは、「米価を下げる努力を放棄して米価を正当化しようとしている」「米価を釣り上げている元凶のくせに」などの批判的な投稿が相次いでいる。

こうした声について、JA全農山形の担当者は、産経新聞の取材に「生産者や消費者、それぞれの立場で、適正価格について考えるきっかけとなってほしいという願いを込めた」と説明。

「決して現在の価格について理解を求めるという意図ではない」と否定した。

また、高騰が続くコメ価格について「生産者の受け止め、消費者の受け止めは違う。さまざまな意見があることは、農畜産物の適正価格を考える上では、必ずしも悪いことではないと考えている」とも話した。

JA全農山形では一昨年から、新聞広告のほか、JR山形駅の構内で大型の垂れ幕を使い、農産物や農畜産業に対する理解を求める広告を掲げている。

参照元:Yahoo!ニュース