もしも、社員が「適応障害」になったら? うつ病となにが違うのか

適応障害を罹患している人

カウンセラーである筆者が、休職や復職時でよく受ける相談テーマに、“適応障害とうつ病の違い”がある。

適応障害は、「抑うつ状態」(気分が落ち込んでエネルギーが乏しくなっている状態)を特徴としていることから、主治医がよくよく話を聞かない限り、「うつ病」と診断されてしまうことが少なくない。

適応障害の可能性が高いのにうつ病と診断された社員は、休職と復職を繰り返す傾向がある。

適応障害は、実際はどのような病気で、うつ病とどのように違うのだろうか。

組織としての対応はどうすれば良いだろうか。

適応障害は、職場環境の変化や人間関係のトラブルなど、本人が思い当たるストレス要因から3か月以内に情緒面(抑うつ状態など)または行動面(欠勤が多くなるなど)の症状が出現するものとされている。

適応障害の主な特徴の1つに、「抑うつ状態」があるため、「うつ病」と誤診断されることも少なくない。

組織は、「適応障害」と「うつ病(うつ状態)」の違いを明確に理解し、うつ病の診断が出ていても適応障害を疑う知識が必要だ。

両者の大きな違いは、適応障害ではストレス因(例、どうしてもこの上司とは合わない等)がはっきりしているのに対し、うつ病は原因が1つではなく複合的で、強い抑うつ状態が長く続くことだ。

それゆえ適応障害では原因やストレス因が取り除かれると、すぐに良くなる場合が多い。

適応障害を正しく知ることは、休職を繰り返すことを防ぐ手立てとなる。

うつ病で復職する場合、環境の変化がストレスにならないよう同じ部署や同じ上司のもとで復帰させる。

しかし、適応障害においては職場環境を変えることも再発防止のための重要な選択肢となる。

産業医などのアドバイスを聞き、慎重に復職先を検討することが重要だ。

参照元:Yahoo!ニュース