75歳以上「ATM利用上限30万円」に賛否の声 「高齢者のお金の管理」は国が制限? 自己責任?

警察庁が75歳以上の高齢者を対象に、1日のATMの利用上限額を30万円に制限する方向で検討している。
特殊詐欺の深刻な被害状況に歯止めをかけることが目的だ。
現在はATMでの取引限度額は、各金融機関の自主的な取り組みで一律ではない。
今回の検討に対し、「よい方法」「大きなお世話」「窓口は遠くて不便」「少額詐欺が増えるだけ」「詐欺する側をなんとかしろ」など賛否の声があがっている。
高齢者のお金の管理は制限を設け保護することが必要か、あるいは自己責任か、どう考えればよいのだろう。
「上限30万円」の報道を見て、当初筆者は一律に年齢で区切ることに違和感を覚えた。
そうすることで、どれだけ被害を防げるのだろう、と。
また、なぜ75歳なのか。他方、特殊詐欺が暴力団の資金源となっているとも言われており、放置できることでもないと思う。
国よりも動きが速いのは大阪府だ。
条例により、今年8月1日から、65歳以上は通話しながらATMを操作することを禁止する。
さらに、10月からは過去3年間にATMで振り込んだことのない70歳以上は、振り込み限度額を1日10万円以下に制限。
日本の総人口に占める高齢者の割合は29.1%(令和5年)。
今後も、この割合は上昇を続ける。
認知症などの病気でなくても加齢に伴う正常範囲での認知機能の低下は誰でも起きる。
そして、個人金融資産の多くを高齢者が保有。
国は「上限30万円」を検討する一方で、高齢者だけが参加できる「プラチナNISA」創設も検討。
制限したり、特別扱いしたり……。
さまざまな背景が混在する中で、高齢者の金融資産とその保全は大きな課題だ。
場当たり的ではなく、社会全体で議論し合意を得ることが望ましいと思う。
参照元:Yahoo!ニュース