母の日の贈り物「お米」が人気 特別感ない気もするが「過去一番のリアクション」だったという声も

母の日のプレゼントを購入している人

5月11日は「母の日」。街の皆さん贈り物の準備を進めているようだ。

【20代】「毎年、花を贈っている。花が好きで育てている母なので。ことしは色が変わるカーネーション」

他にもいろいろ考えた贈り物をする人がいた。

【30代】「リカバリーウェア。疲労回復のパジャマをプレゼントしました。2万円ぐらいした」

【30代】「食事に誘う予定。悩んだんですけど、思い出に残る方がいいかな」

定番の「花」が多いのかと思いきや、取材を進めると、ことしは「意外な贈り物」が売り上げを伸ばしているようだった。

関西テレビでも毎年、伝えている母の日のニュース。

もっとも古い1973年の映像でも、カーネーションは定番のようだ。

1980年代以降は、「いつも忙しいお母さんにおしゃれを」と、毎年のように百貨店で“お母さんのファッションショー”が行われていた。

【1991年のお母さん】(Q.ファッションショーは初めて?)「前に一度、他のところで。やみつきになってまた来ました」

また母の日はいつの時代も、お母さんに感謝を伝える特別な日だ。

【1998年のお母さん】「(子供からメッセージカードをもらって)『洗濯、ご飯、片付け大変でしょう。また大変だと言ってね』。(カードをくれた子供に)ありがとうございました」

一方で、贈り物から世相が見える年もあった。

2011年は、東日本大震災の影響で世間は「節電」ムード。

よく売れていたのは、節電しながら涼しくなれる、うちわや日傘だった。

2020年はコロナ禍で閉塞感が漂う中、人がまばらな商店街でお母さんたちに配られたお花に、ほっこりする場面もあった。

【2020年のお母さん】「お花見もできなかったし。ちょっと気持ちが明るくなりますね」

時が流れて2025年はどんな世相が見えるのだろうか。

阪急うめだ本店では、「お母さんと過ごす時間」をテーマに、一緒にエステを受けられる体験ギフトなどに力を入れている。

しかし、ことしは意外にも「お米」が人気になっているそうだ。

【阪急うめだ本店 宣伝広報担当 米田進悟さん】「お米をプレゼントしようという方が多くなってきているのは、ことしならでは」

米といえば、5キロあたりの平均価格が4233円と、17週連続で最高値を更新(4月21日~27日週)。

去年の同じ時期の2倍近くとなり、家計を悩ます存在になっている。

その影響なのか、「母の日ギフト」でお米が売れているようだ。

【阪急うめだ本店 宣伝広報担当 米田進悟さん】「私もここ何十年と百貨店で働いておりまして、母の日というのは何十年も経験しているんですけど。本当にことしは驚いている。実用的なものがギフトになるんだなと実感しています」

兵庫県西宮市にある、米のギフトを取り扱う「AKOMEYA TOKYO」には、母の日のプレゼントを買い求めるお客さんが…。

【母の日にコメギフトを購入した人】「母が玄米好きなので。今お米も高いしということで」

【母の日にコメギフトを購入した人】「義理の母に母の日で。(種類が)色々あって楽しみながら、自分やったらどれがいいかなと思いながら選んでいました」

他の店舗も含めて全体で4月1日~5月6日までの「コメギフト」の売り上げは、去年と比べて約2倍に増えたという。

【AKOMEYATOKYO阪急西宮ガーデンズ 高木えみさん】「『ぜひともお米を贈りたい』という声がよく聞こえるので、母の日以外でも(贈り物に)すごいお米を選ばれてるので、それだけ今注目されている」

SNSを見ても、母の日にお米を贈る人は増えているようだ。

そのうちの一人に話を聞いた。

【大阪府在住50代女性】「例年お花とか送っているですけど、母も『お花は畑にあるからいらない』と。米が高いというので、そっちを選びました」

別の女性は数日前、精米したてのお米を食べてほしいと、母と義理の母にプレゼント。

過去一番のリアクションだったそうだ。

【母と義理の母にお米を贈った 高井なおさん】「(母親)2人とも口をそろえて『こんな高級なお米ありがとう』って言われました。すごい喜んでいました。いつもと予算はあんまり変わっていないんですけど、すごいコスパよかったです。今だからこその喜び方だと思います」

渡したその場ですぐにお米を炊いて、みんなで食べたそうだ。

【高井なおさん】「炊飯器に入っているお米が、もうつやつやで、誰が見てもおいしそうな状態。『本当にごちそうだね、これだけで』って言ってました」

「米」が母の日ギフトの新しい選択肢に。

「令和の米騒動」の思わぬ余波だった。

確かにお米の価格は高騰し、手に入りにくくなっていますが、母の日のプレゼントとしてはどうなのだろうか。

【大泉まどか弁護士】「あまりに実用的すぎるプレゼントで、どうなんだろうと思ったのですけど、高級で普段自分では買わないようなお米とか、そういったものを特別にもらうのは確かにうれしいかもしれないですね」

【関西テレビ 藤本景子アナウンサー】「今までお米をもらう選択肢はなかったですけれども、もしもらったら炊いて、おにぎり作って、みんなにありがとうと言って家族で食べたら、幸せなのかな。(と言いながらも考えて)いやー、お米か…」

確かに実用的なもので、特別感はちょっとないかもしれませんが、「2025年は米だった」と思い出を共有することができるかもしれない。

あと大事なのは感謝の言葉、感謝の気持ちもお忘れなく。

参照元:Yahoo!ニュース