米国以外の投資先探しが注目テーマに、ミルケン研究所会議

投資をしている人

米ミルケン研究所がカリフォルニア州ビバリーヒルズで開いた金融関係者の「グローバル・コンファレンス」では、トランプ米大統領の予測不可能な政策によって米市場の不透明感が増す中、代替的な投資先探しが大きなテーマとなった。

ロイターは5、6の両日に討論会を取材するとともに、10数人の出席者にインタビューを行った。

出席者は、米資本市場の規模と深みを踏まえると、代替的な投資先はごくわずかだとしつつも、多くは欧州を筆頭とする他市場への投資配分拡大を検討していると明かした。

米HPSインベストメント・パートナーズの幹部、プルニマ・ピュリ氏は6日の討論会で「欧州の面白みが高まり始めたと考え、この市場に時間を割いている」と述べた。

トランプ氏の「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」をもじり、「欧州を再び偉大に(Make Europe Great Again)」と記された野球帽を被る企業家もいた。

昨年末から今年初めにかけて、トランプ氏の規制緩和と減税によって米経済が強くなるとの見方から過剰な米国投資が行われたこともあり、ポートフォリオを分散するチャンスが訪れたとの声も聞かれた。

欧州は景気見通しが改善し、資産価格が割安であることも投資シフトを促している。

ゴールデンツリー・アセット・マネジメントの幹部、リー・クルター氏は討論会で、欧州は米国に比べて成長見通しが明るく、スタグフレーションのリスクが低いとし、「当社は第1・四半期に欧州で投資機会を探った」と話した。

投資会社ヌビーンのサイラ・マリク最高投資責任者は、関税を巡る不透明感が続く限り、米国以外の資産がアウトパフォームし続ける可能性があるが、長期的にはハイテクセクターを主エンジンとして米国資産が再びアウトパフォームするとの見方を示した。

米国の財政見通しについても、差し迫ってはいないが重要な懸案事項だと指摘された。

グッゲンハイム・パートナーズのアラン・シュウォーツ執行会長は5日の討論会で「ドルと米国債の土台がここ何年かで揺らいできており、そろそろ警戒すべきだ」と語った。

トランプ第1次政権で財務長官を務め、現在はリバティー・ストラテジック・キャピタルのマネジングパートナーであるスティーブン・ムニューシン氏は5日の討論会で、世界の基軸通貨としてドルに代わる通貨はないため米国には責任があるとの考えを示した。

参照元:REUTERS(ロイター)