米フォード、通期予想を撤回 トランプ関税は15億ドルの減益要因

米自動車大手フォード・モーターは5日、トランプ米大統領の関税政策に関する不確実性を理由に、2025年の業績見通しを取り下げた。
関税により利払い・税引き前利益(EBIT)が約15億ドル減少すると予想している。
2月時点では、2025年の利益を70億─85億ドルと予測した。
この予測には関税は考慮されていなかった。
シェリー・ハウス最高財務責任者(CFO)は、関税の影響を除けば同社はこのガイダンスを達成できる見込みだと述べた。
時間外取引で株価は約2%下落した。
第1・四半期の1株当たり利益は0.14ドルで、アナリスト予想の0.02ドルを大幅に上回った。
コスト削減と品質向上が予想超えの要因となった。
ただ、前年同期の0.49ドルからは減少している。
第1・四半期の純利益は4億7100万ドルで、前年同期の13億ドルから大幅に減少した。
売上高は5%減の407億ドルだったが、予想の約360億ドルを上回った。
フォードは、関税により年間で総額25億ドルのコスト増加を見込んでいる。
主にメキシコと中国からの車両輸入に関連するものだ。
同社は中国への自動車輸出を停止したが、「リンカーン・ノーチラス」などの車種は依然として中国から輸入している。
バークレイズのアナリストは、フォードの米国での販売のうち米国内で組み立てられた車が79%であるのに対し、ゼネラル・モーターズ(GM)は53%である点を指摘。
「フォードは米国での販売のうち米国内で組み立てられた車の割合がはるかに高いため、投資家はGMよりフォードを好んでいる」と指摘した。
収益性の高い商用車部門である「フォード・プロ」の第1・四半期の売上高は152億ドルで、前年同期比16%減となった。
ガソリンエンジン部門の売上高は210億ドルだった。
ソフトウェアとEV事業を含むモデルe部門の売上高は12億ドルだった。
参照元:REUTERS(ロイター)