勝手に合鍵防止へ「鍵にカバーつけて」注意喚起に「知らなかった」
「【注意喚起】初めての一人暮らしを始めた方へ。鍵には、写真のようにキーカバーをつけるのを強く推奨します。鍵に書かれている鍵番号で、合鍵がカンタンに作れてしまうからです――」。
そんなSNS投稿が注目を集めた。
投稿した人に話を聞いた。
実物の鍵がなくても、合鍵は作れてしまうという指摘に、「これは知らなかった。周りの若い子に勧めます」「鍵カバーって、そういう役目やったんや。可愛いだけじゃなかった」など、防犯上の盲点に気づかされたという声が出ている。
投稿したのは、一般社団法人痴漢抑止活動センターのX(旧ツイッター)アカウントだ。
電車内での痴漢被害が多発していることから、教育を通じて誰もが安心安全な車内を実現し、性犯罪を許さない社会の実現に寄与することを目的として2016年1月に設立された団体だ。
投稿した代表理事の松永弥生さんにお話をお伺いした。
松永さんは、日々様々なニュースに接する中で、鍵の情報を悪用して合鍵を作る事案があることを知り、注意喚起を思いついたという。
合鍵を作るには、必ずしも実物の鍵が必要なわけではなく、鍵に刻印されている番号とメーカーがわかれば、特殊な鍵を除き、インターネットでも複製の鍵を注文できるという。
勝手に作った合鍵が使われた事件は、マスメディアでもたびたび報じられている。
〝同僚女性の自宅の鍵を複製し、男が侵入する事件が福岡市内で起きた。鍵に刻印されている番号から、インターネットで複製の鍵を注文していたとみられる。容易に複製できる利便性を悪用する事例は後を絶たず、県警は防犯対策を呼びかけ、業者も対策に乗り出している〟(2023年10月12日付朝日新聞福岡版)
同僚女性宅に侵入した男性容疑者を、地検が邸宅侵入や住居侵入、県迷惑行為防止条例違反(ひわいな行為の禁止)の罪で起訴した、という記事だ。
手口についても取材している。
〝男は女性宅の鍵をどのようにして入手したのか。捜査関係者によると、男は「同僚同士でキーホルダーの話題となり、女性が取り出した鍵の番号やメーカーを記憶した」と供述。インターネットで複製の鍵を注文したという〟
合鍵による侵入はどれくらい起きているのだろうか。
警察庁がホームページで公開している「住まいる防犯110番」によると、2023年の侵入窃盗の侵入手口を「一戸建て住宅」「共同住宅(3階建て以下)」「共同住宅(4階建て以上)」に分けて分析したところ、いずれも1位は施錠されていないところから侵入する「無締まり」だったが、共同住宅(4階建て以上)の2位は合鍵で、全体の2割を占めていた。
総計1676件のうち、338件が合鍵によるものだった。
一戸建て住宅と共同住宅(3階建て以下)でも合鍵は3位だった。
対策としては、「ドアの鍵は持ち歩き、郵便受けなど玄関付近に置かない」「必要最低限の本数のみを複製し確実に管理する」といった対応が必要だという。
松永さんは、「女性社員が机の上に置いていた自宅の鍵の写真を上司に撮影され、合鍵を作られて侵入されたという事件などをニュースで知って、すごく怖いなと思いました。私もそのニュースを見るまでは、鍵のナンバーだけで合鍵が作れるとは知らなかったんです。知っておかないと防止できないことなので、一人暮らしを始めたみなさんが多いタイミングでお伝えした方がいいと思い、投稿しました」と話す。
投稿したことで、新たな学びもあった。
投稿したのは、番号部分を隠すカバーの写真(カバーがかかっていない部分はモザイク処理)だったが、鍵の溝の位置や深さも合鍵づくりにつながる情報だとして、「全体を覆うカバーのほうが良い」と指摘があった。
「今回投稿したことで、いろいろな知見をいただけて良かったなと思いました」と話す。
投稿を見た人が引用リポストし、様々なメッセージも寄せられた。
「防犯のため鍵にはキーカバーを」
「鍵カバーは鍵全体を隠せ!!」
「今年から鍵を持たせて登校する児童にも教えてほしい。公園や習い事でランドセルから離れるとき、鍵が丸出しになっている子をよく見かける。子どもを守る知恵はどんどん普及させてほしい」といった呼びかけも広がった。
今回の投稿は102万回表示され、いいねも1万4千に達している。
また、リポストが1万あって、「それだけ多くの方が、『これは広げなきゃ』と思って下さった結果なのでは」と分析していると言う。
鍵カバーはホームセンターなどのほか、インターネット上でも様々な商品が手頃な値段で販売されている。
松永さんは、「鍵カバーの必要性をぜひ周囲の方々にお伝えください。そして、みなさんも防犯のために鍵カバーを使ってください」と呼びかけている。
参照元:Yahoo!ニュース


