トランプ氏の万博参加に期待 7月案、関税交渉が課題 政府

トランプ米大統領の大阪・関西万博への参加に期待する声が日本政府内で出ている。
7月19日の米国「ナショナルデー」に合わせた来日が取り沙汰されており、実現すれば石破政権にとって同20日投開票を見込む参院選に「追い風」になるとの見方もある。
ただ、米国が日本を含む世界各国に課した関税措置を巡る日米交渉の行方が課題となる。
「万博参加に手応えを感じた」。
赤沢亮正経済再生担当相は4月に米ワシントンでトランプ氏と面会した後、周囲にこう語った。
赤沢氏は、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」型の金色「ソフビちょきんばこ」(税込み8800円)を贈呈していた。
4月13日に開幕した万博は同月26日までに約138万人が来場したものの、前売り券の販売は低迷。
盛り上げるための「起爆剤」として当て込むのがトランプ氏の出席だ。
石破茂首相は2月の日米首脳会談でトランプ氏の「近い将来の公式来日」で合意。
首相は会談で、1970年の大阪万博を訪れた際に米国館で展示されていた「月の石」を見物したエピソードを披露し、トランプ氏は「(今回の万博で)米国は何を出すんだ」と強い関心を示したという。
万博では日替わりで参加国・地域が文化をアピールする「ナショナルデー」が設定され、これに沿って各国首脳らが来日している。
ただ、米ナショナルデーの直前の7月9日は、米国の相互関税上乗せ分の一時停止期限。
日本はこの期限までの関税交渉合意を目指しているが、予断は許さない。
政府内からは「日本が納得できる結論が得られていなければ、国民からは『トランプさんいらっしゃい』とはならない」(関係者)と不安視する声がある。
韓国・慶州で10月下旬に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議も影響しそうだ。
APECにはトランプ氏の参加が見込まれるが、日本外務省幹部は「慣例では米大統領がアジアを年に2回訪れることはない」と指摘。
トランプ氏の来日が実現したとしてもAPECに合わせたものになるとみる。
万博は10月13日に閉幕するため、この場合、トランプ氏の万博参加は見送りとなる。
参照元:Yahoo!ニュース