国連、資金難で大規模改革を検討 効率化へ機関統合など提案

国連が主要部局を統合し、リソースを世界中に分散させる大規模な改革を検討していることが、改革担当高官の作成した内部メモで明らかになった。
国連はトランプ米政権による対外援助削減による影響などで資金不足に直面している。
ロイターが閲覧した「極秘」と記された6ページの文書には、数十の国連機関を平和と安全、人道問題、持続可能な開発、人権の4つの主要部門に統合する「提案」のリストが含まれている。
ある選択肢では、世界食糧計画(WFP)、国連児童基金(ユニセフ)、世界保健機関(WHO)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の業務面を一つの人道支援組織に統合することが提案されている。
メモには大小さまざまな規模の提案や推測的な提案も含まれているが、全てが採用されれば、ここ数十年で最も抜本的な改革となる。
国連エイズ対策機関をWHOに統合し、会議で必要な通訳者を最大6人までに削減することや、国連機関ではない世界貿易機関(WTO)を国連の開発機関と統合することも提案されている。
メモに詳しい関係者の1人は、これは出発点だと述べた。
メモは「重複する任務」「非効率的な資源利用」「断片化と重複」に言及し、上級職の肥大化についても指摘している。
メモはグテレス事務総長が3月に任命したタスクフォースによって作成された。
グテレス氏は当時、国連機関はより費用対効果の高い組織になる必要があると述べていた。
国連のデュジャリック報道官は「このメモは事務総長のビジョンを実現する方法について、高官からアイデアや意見を引き出す取り組みだ」と語った。
メモは特定の国名を挙げてはいないが、「地政学的な変化と対外援助予算の大幅な削減が国連の正当性と有効性に疑問を投げかけている」と指摘している。
メモには国連職員の一部を物価の高い都市から物価の安い地域に再配置する案なども含まれている。
参照元:REUTERS(ロイター)