盗難軽トラの解体輸出相次ぐ 「小回り利く」海外で人気 “再組み立て”指南?動画も

「小回りが利く」「壊れにくい」と、海外でも高い人気を誇るのが日本の軽トラックだ。
しかし、その人気から不正に輸出される被害が多発している。
バラバラに積まれている車のパーツ。部品を組むだけでなく、切り取られた屋根までも、慣れた手つきで溶接され、塗装をして仕上げていく。
窓ガラスを取り付け、出来上がったのは「軽トラック」だ。
フロントには、高齢者マークが貼ってあったのだろうか。
跡がくっきりと残っている。
パキスタンからSNSに投稿された動画で、タイトルは「スズキ車の作り方」。
この部品が盗まれたものかは分かっていないが、海外人気の高まりから、日本で盗まれた軽トラックが解体され、密輸される被害が相次いでいる。
自動車ジャーナリスト 加藤久美子さん「そのままの形ではさすがに犯罪として発覚する恐れがあるので、バラバラにして現地で組み立てるという例もたくさんある」
警察庁の車名別の盗難台数を見ると、アルファードやランドクルーザーといった高級車が並ぶなか、スズキの軽トラック「キャリイ」やダイハツの「ハイゼット」の名前がある。
中でもスズキのキャリイは、アジアで人気の高い車種。
その理由は、パーツの汎用性だ。
加藤さん「(キャリイと)部品を共用できるスズキのコンパクトカーが非常にたくさん(ある)。アフターサポート的なことを考えると、パーツが手に入りやすいというようなこともあると思います」
おととし、埼玉県の伊奈町にあるリフォーム会社の防犯カメラに映っていたのは、車上荒らしをする二人組。
中を荒らしただけの車もあるなか、盗み出したのは軽トラックそのものだった。
軽トラ盗難の被害者 川田賢興さん「頭にくるなと思って。遠慮がないなみたいな。商品や工具も盗まれて(被害総額は)200万円近い」
窃盗団にとって、軽トラックは都合のいい車だという。
加藤さん「車上荒らしの獲物を積んで帰るのにも、次の獲物を探すのにも、非常に小回りが利いて使い勝手がいい。(車を)ある程度使ったら海外に出せる(売る)と思います」
参照元:Yahoo!ニュース