原子力規制委 北電泊原発3号機の審査書案了承 再稼働に向けた新規制基準の適合審査 事実上の「合格」

泊原子力発電所の外観を撮影した画像

原子力規制委員会は30日、北海道電力泊原子力発電所3号機の安全対策が、「新規制基準に適合している」との審査書案を了承した。

これで、再稼働に向けた審査が事実上、「合格」したことになる。

原子力規制委員会は、30日の会合で、泊原発3号機の再稼働について、「新規制基準に適合している」と発表した。

また、発電所の敷地にある11箇所の「断層」のうち、大きな議論だった原子炉周辺の3箇所については、「震源として考慮する活断層ではない」と評価した。

原子力規制委員会は今後、パブリックコメントを集め、正式な「設置変更許可」を出す見込みだ。

再稼働の事実上の「合格」について、泊村の住民は…。

「(大切なのは)『安全』だけだと思います。それで生活が豊かになるならいい」

「再稼働して(経済が)活性化して村も潤ってもらえればいい」

若い世代「避難道も最近できたし、動く分には生活が豊かになるなら…。原発はよくないマイナスイメージからスタートしてる。東日本大震災の状況(影響)もあったと思う。(いまは)どちらかというと期待が大きい」

シニア男性「稼働してもらいたくない人もいるだろうけど、地元としては動いてもらって活発化した方が村にいいと、私は思っています」

一方、泊村の高橋鉄徳村長は「現在、新規制基準適合審査中であり、原子炉設置変更許可が下りていない中で余談をもって申し上げることはできない」とコメントしている。

また、札幌市の秋元克広市長は「原子力発電所の稼働、再稼働については、安全性が最優先されるべきと考えている。このたびの審査の結果がどのようなものであるのか、結果に対して北海道電力がどのように対応していくのか、安全性をどう確保していくのかなどについて、市民への丁寧な説明をしっかりと行っていただくことを引き続き求めていく」としている。

こうしたなか、北海道経済連合会の藤井裕会長からは「カーボンニュートラルの実現や、エネルギー自給率向上、低廉かつ安定した電力供給などの観点から極めて重要となる。泊発電所3号機の1日も早い再稼働が実現し、北海道経済の発展に貢献していくことを期待したい」との声が寄せられた。

泊原発3号機は、早ければ2027年の夏ごろには再稼働の道が開けるが、一方で「運転差し止め」などを求めた控訴審も続いており、最終的な司法判断も注目されている。

参照元:Yahoo!ニュース