コマツ、関税と円高で今期27%営業減益予想 市場予測下回る

営業利益を公表している企業

コマツは28日、2026年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前年比27.3%減の4780億円になりそうだと発表した。

主力の建設機械・車両部門を中心に性能改善による値上げとコスト低減を進めるが、円高や米国関税政策の影響を受けるため。

IBESがまとめたアナリスト14人の予想平均6278億円を下回った。

関税によるコストの増加は780億円と試算。

24日時点で発表済みの税率がすべて適用されることを前提にした場合、建設機械・車両部門で年間1400億円を見込むが、在庫を考慮して780億円と試算しており、産業機械部門の5億円のコスト増を合わせると、計785億円が営業利益を圧迫する。

建設機械・車両部門は関税に伴う景気悪化などで需要が減少し、さらに150億円利益を押し下げるとみている。

今吉琢也社長は会見で、今期の業績予想に性能改善に伴う値上げは反映したが、関税による直接的な値上げは入れていないと説明。

「今後の状況を見ながら米国での価格転嫁を考えていきたい」と述べた。

米国の措置に対抗した「報復関税」の影響は、中国だけ織り込んだという。

関税回避策については、日本からの輸出を米国を経由せずにカナダに直送するなど「比較的すぐ取れる対策はもう着手している」と話した上で、中期的に世界的な供給網の見直しも検討するとした。

今期業績予想の前提となる為替レートは、1ドル=135.0円(前期は152.8円)、1ユーロ=150.0円(同163.5円)、1豪ドル=84.0円(99.5円)。

併せて発表した25年3月期の営業利益は前の年に比べて8.2%増の6571億円だった。

3年連続で過去最高を更新した。

参照元:Yahoo!ニュース