益若つばさに聞く、ルッキズムへの率直な思い「以前と違うのは、中身も磨かなきゃ難しい」

かつてカリスマ読者モデルとして名を馳せ、現在はモデル、タレント、実業家として活躍中の益若つばささん。
テレビ出演するたびに「激変!」などの見出しがネットニュースに躍るが、益若さんの人生は柔軟なTHE CHANGEに満ちていた。
アパレルやコスメなどのブランドプロデューサーとして活躍する一方、タレントとしてテレビ出演する機会も多い益若つばささんだが、出演するたびにSNSのトレンドにその名があがる。
その話題の一部が、益若さんのルックスについての言及だ。
最近でも1月28日放送『ラヴィット!』(TBS系)にVTR出演した際、Xで「#益若つばさ」がトレンド入り、益若さん自身も「テレビに出る度に益若つばさの顔が違うとトレンドにしていただいてありがとうございます」と投稿したことが話題となった。
投稿は「永遠の憧れ」「結局いつも可愛い」と絶賛コメントで埋め尽くされたが、メディア露出する人へのルックスの言及が可視化されている昨今、“ルッキズム”について益若さんの見解を聞くと、「私は10代の頃からずっとルッキズムに縛られてきた」と話してくれた。
「だから別に、ルッキズムはなくなったほうがいいとも思っていない派です。『Abema Prime』(ABEMA)のようななにか言わないといけないときには両軸の話をしますが、個人的には仕方がないものだと思っていて。もちろん差別的な発言や人を傷つける言葉はないほうがいいですが、みんな“なくそう”と言いながらも、結局ルッキズムだと思うんです」
フラットに言葉を続ける益若さんは、さらに「そう言いながらも私自身も、きっとルッキズム主義の方たちのおかげで出られている面もあると思う」と冷静に分析する。
「モデルは見た目で勝負をしている側面もあるし、やっぱりそこを“イヤだ”とは言えないと思うんです。受け入れなきゃいけないと思うし、その分いつまでもキレイでいなきゃなと思いますが、以前と違うのは、中身も磨かなきゃ難しい、ルックスだけじゃ意味がない時代になったことではないでしょうか。昔は“かわいければいい”だったのが、最近はルックスがよくても中身がない人は推されないというか」
益若さん自身も、「キレイな方を見て、性格や書く文章などの中身も知りたくなる」ことが増えたという。
「ルックスプラスアルファ、な時代ですよね」
ーーそもそも、キレイな方もその人の中身が反映した能力のひとつだと言えます。
「だからこそ、キレイになった過程も明かしたほうがいいと思います。これまでは“美の秘訣? なにもしていません”で通用してきたのが、今は”こういう努力をして、私はこうなんです”という過程を出せる人のほうが推されたり共感してもらえたりするのではないでしょうか」
一方で益若さんは「自分のことを教えたいという欲求がないから、不利なんです」と笑う。
「そもそもSNSだって、この仕事をしていなければ発信できていないですし、すごい時代に突入したなあと思います。がんばらなきゃ、という場面がすごく増えました」
いつもその美貌をナチュラルに発信しフォロワーをうっとりさせていると思いきや、「実は、がんばっています」というのだ。
現在、39歳。
今年10月で40歳になる。
その年齢についてもたびたびネットニュースで強調され、「20代にしか見えない」といった言及がなされるが、益若さんは“40代”についてどう思っているのだろう。
「今までだったら、今日・明日がんばれば全部未来に繋がると思っていました。だから“1年後どうしたいか”ということを考えないようにしていました。つまり、将来の目標がない状態。でも、40代が目と鼻の先になったときに初めて、20年先のことをざっくりと考えるようになったんです。そうすると、“そのときの自分はこういう方向性でいきたいから、今のうちにこんなふうに軌道修正しておこうかな”とか考えるようになりました」
さらに、若いスタッフが増え自身が年長者である場面が多くなったことで、「“自分だけ良ければいい”じゃなくなっちゃったから。この先の自分のことをわかっていないと、みんながついて来られなくなる」と話す。
「だからこそ自分の頭の中だけで完結せずに、スタッフやファンのみなさんに“こういう方向性でいきます”と伝えることも大事なんだと思います。そうするとみんな意外と“OK!”みたいに協力してくれたりするんですよ。もっと早くそうしていればよかった(笑)。そう、困ったときは誰かに聞く、しかも一人じゃなく、なるべくたくさんの人に聞く。……とはいえ、聞きすぎるとそれなりにつまらないものが出来上がるので、最後は自分を信じることが大切なんですけどね」
続けて「そうじゃないとユニクロや無印良品にはもう誰も今後勝てない。色んな声を聞いた万人受けの頂点があそこだから。やっぱり自分の軸がないと、ものづくりにおいて人を感動させることができない」と真剣なまなざしで話す益若さんの口調は、淡々としているが熱を帯びている。
「そうだ、40代について、ですよね。お水みたいな透明感があって循環する人でありたいと思っています。常に環境に応じて変化できる人間。それができないと頑固になっていくから。なので、40代はより柔軟な人間になって、周りの人たちをポジティブに引っ張り上げられるような環境を作りたいですね」
思わず「あなたについていきます!」と鼻息荒く言いたくなる。
そう伝えると、益若さんは「あはは。ついてきてください!」と笑った。
参照元:Yahoo!ニュース