PTA入らなきゃダメですか? 過去には訴訟も

PTAに加入している保護者をイメージした画像

小中高校単位で組織されるPTA。

保護者(Parent)と教職員(Teacher)が子どもたちのために活動する団体(Association)とされるが、負担が重いなど否定的なうわさを耳にし、どう向き合えばいいか戦々恐々としている新入学生の保護者もいるだろう。

そもそもPTAには入らないといけないのだろうか。

答えはノーだ。

学校とは別団体であり、加入を義務づける法的根拠はない。

2023年3月の参院予算委員会で、PTAのあり方について問われた岸田文雄首相(当時)は「PTAは学校の児童生徒の保護者と先生とで構成される任意団体。入退会については保護者の自由」と答弁している。

一方で、PTAは戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の指導に基づき、当時の文部省が設置を推奨して全国に広まった経緯があり、PTAへの加入は長年、当然のようにみなされてきた側面もある。

だが近年、加入への意思確認が十分されないことに保護者が異議を申し立てるようになり、訴訟に発展したケースもある。

熊本市立小学校の保護者は14年、PTAに強制加入させられたのは不当として、PTAに会費の返還などの損害賠償を求めて提訴した。

17年に福岡高裁で和解が成立し、PTAは任意団体で、入退会は自由ということを保護者に十分に周知することが和解条項に盛り込まれた。

全国的に注目を集め、任意加入への認識が広がる一つのきっかけとなった。

ただ、現状でも加入の意思確認は必ずしも徹底されていない。

埼玉県教育委員会は24年6月、県立学校176校(中学校1、高校137、特別支援学校38)のPTA192団体を対象に、加入の意思確認方法などについて調査した。

その結果、「(入学に合わせて)自動的に会員になる」と答えたPTAが9団体あった。

8割にあたる157団体が「(入会は任意だと説明後)保護者から入会しない旨の申し出をしない限り、入会とみなしている」と回答。

入会届の提出を求めているのは1割に満たない19団体しかなかった。

参照元:Yahoo!ニュース