DOGEによる政府データアクセス禁止命令、米高裁が執行延期を決定

米実業家イーロン・マスク氏と同氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」による政府の機密データアクセスの一時差し止め命令を巡り、南部バージニア州の第4巡回区控訴裁判所(高裁)は7日、命令の執行延期を決定した。
3人の担当裁判官のうち2人が延期に賛成し、残りの1人が反対に回った。
東部メリーランド州の連邦地裁が、財務省と教育省、連邦人事管理局(OPM)が保有する機密データにマスク氏とDOGEのチームがアクセスすることを当面禁止する命令を下し、政府が控訴していた。
教職員や退役軍人などの団体が、マスク氏のチームに取り扱いに注意を要する個人データの閲覧を許したトランプ政権は、連邦のプライバシー保護法に違反していると訴えたことを受け、連邦地裁は一時差し止めを命じていた。
対象になっている情報には、社会保障番号や生年月日、所得、市民権の有無、学生ローン借り入れ状況、退役軍人の障害手当受給状況などで、社会保障給付や所得税還付などのためのコンピューターシステムは財務省が管理している。
差し止め命令の執行延期を支持した2人の裁判官は多数意見として、原告側は訴えの利益を説明できでおらず、原告としての要件を満たしているとさえ証明していないとの見解を示した。
一方、執行延期に反対した1人は、DOGEに膨大な国民の個人情報へのアクセスを許せば今後取り返しのつかない事態を招くだろうと警鐘を鳴らした。
参照元∶REUTERS(ロイター)