ETCシステム障害、事故も相次ぐ 春休み最後の日曜に打撃「お笑いライブ間に合わない」

高速道路を撮影した写真

中日本高速道路管内のETC(自動料金収受システム)レーンが利用できなくなった障害は、仕事や行楽に向かう人の足を直撃した。

渋滞の影響で、各地の料金所周辺では事故も発生。

春休み最後の日曜日のトラブルに、予定が狂った人たちは疲れた表情を見せた。

6日午前、首都圏や東海地方を走る中央道や東名高速などでは、徐々に料金所付近で渋滞の列が延びた。

ブラジリアン柔術のウェブメディアを運営する男性(47)は、中央道が渋滞と知り、迂回(うかい)して柔術大会が開かれる八王子市に向かった。

だが、同市の高尾山インターチェンジ(IC)の手前約2キロで渋滞に巻き込まれた。

車が動かない状態が続き、車から降りて徒歩で移動し始める人も。

約70分後に料金所に着くと、通れるレーンは一つで、係員から後日精算の手続きを聞くのに約2分かかった。

男性は「ETCは便利だが、トラブルがあるとここまで影響が広がるのか」と語った。

家族連れからは恨み節が聞かれた。

子供と一緒に甲府市内でのイベントに参加予定だった長野県佐久穂町の男性(35)は、「遊ぶ時間を増やそうと高速に乗ったが、逆に時間がかかってしまった。今日に限って……」と肩を落とした。

名古屋市の会社員(36)は東名高速での渋滞で妻と出かけたお笑いライブには間に合わず、「生で見る機会はなかなかないのに」と残念がった。

渋滞に絡む事故も相次いだ。

愛知県警によると、6日午後0時20分頃、豊橋市の東名高速下り線で車5台が絡む事故が発生し、子どもを含む男女5人が病院に搬送された。

警視庁によると、東京都内の中央道でも追突事故が3件起きた。

高速道路周辺の一般道も渋滞した。

府中市の内装業男性(41)は、国立府中IC(国立市)までの約1キロに約2時間かかり、取引先に謝罪した。

「明日は障害が起きないでほしい」と願っていた。

中日本高速道路は、6日午後6時半から、名古屋市内の本社で記者会見を開き、中井俊雄・保全企画本部長らが頭を下げて謝罪した。

障害の理由については、7月頃に導入を目指す深夜料金の割引制度の見直しに向けた、ETCシステムの改造作業が影響している可能性を挙げた。

復旧の見通しは立っておらず、中井氏は「1分でも早く正常な状態に戻したい」と語った。

参照元:Yahoo!ニュース