救急受診すべきか「チャットGPT」助言、利用者が解釈誤る恐れ 「過度な依存避けるべき」

AIを活用している人

体調不良で救急を受診すべきかどうかを対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」に答えさせた助言について、利用者が不正確に解釈する恐れがあるとの見解を日本救急医学会がまとめた。

同学会は、判断に迷う際は医療関係者に相談し、分かりやすい言葉で解説してもらうことが必要だとしている。

同学会は昨年、症状から緊急度を判定する総務省消防庁の救急受診ガイドの事例を使い、チャットGPTに救急受診の必要性を尋ねた。

得られた回答について、救急の専門医ら7人が評価し、医療関係者以外の157人にどう解釈したかをアンケートした。

その結果、胸の痛みが30分以上続くなど緊急度が高い314例のうち97%で合理的な理由を示した上で判断しており、回答は適切と専門家から評価された。

一方、医療関係者以外の人が回答を見て「救急受診が必要」と解釈したのは43%だった。

緊急度の低い152例では、回答の89%が専門家から適切とされたが、医療関係者以外の人で「救急受診が不要」と判断したのは32%だった。

調査を行った東京慈恵医科大の田上隆教授(救急災害医学)は「対話型AIの回答の精度は思ったより高かったが、利用者に正しく解釈されない恐れがある限り、過度な依存は避けるべきだ」と指摘している。

参照元:Yahoo!ニュース