ぬれた傘からコンビニのアイスまで 女性の1人暮らしで注意すること

新年度を迎え、進学や就職で実家を離れ、初めての1人暮らしに心躍らせている人は多いだろう。
しかし、頼れる家族もいない中で、性犯罪を含めた犯罪に巻き込まれるリスクもある。
不動産運営会社の社長は、特に女性に対して犯罪被害を「自分のこと」として捉え、細心の注意を払うよう呼びかけている。
具体的には何に気を付ければいいのだろうか。
女性専用の不動産店を運営する「あつまる株式会社」(東京都杉並区)の小泉厚子社長は、犯罪に巻き込まれないためには、女性が1人住まいをしていると悟られないことが何より重要だと力説する。
小泉さんは、まずは自分の部屋が外からどう見えているか確認することを勧める。
そして、女性が好みそうな色柄のカーテンはできれば避けた方がよいといい、出窓にぬいぐるみや化粧品を置いたりするのもNGだという。
意外に見落としがちなのが傘だ。
ぬれた傘を室内に入れたくないために、玄関の外に立てかけたり、窓の格子などにかけたりしてはいないだろうか。
外から共用部分の廊下や玄関が見えることも多く、女性用の傘が目につくのは好ましくないという。
やむを得ず室外に置く場合は、用意した男性用の傘と一緒に置くようアドバイスする。
深夜もまばゆい明かりがともるコンビニエンスストアを心強い存在と感じる人は多いだろう。
ただ、利用方法によってはリスクを高めることになるのだという。
遅い時間帯に立ち寄っては、小腹を満たすためにスイーツなどを買って小さなレジ袋で持ち帰ることもあるだろう。
中でもアイスクリームは「近くに住んでます」と示しているようなものなので、店を出る前に袋ごと自分の手持ちのバッグに入れて持ち帰るのが望ましいという。
小泉さんの不動産店の利用者の中には、コンビニから男性に後をつけられ自宅に押し入られそうになった女性もいた。
警察に通報し事なきを得たが、仕事帰りの同じ時間帯に自宅近くのコンビニでよく漫画を読んでいたことが災いした可能性があるという。
コンビニの電灯は明るく、店外からでも客の顔がよく分かる。
立ち読みなどに集中していると外から見られていることに気付きにくくなる。
小泉さんによると、最近は家賃が値上がりし、予算内で十分な防犯設備を望めないことが少なくない。
それでも簡単に設置できるテレビモニターなど、手軽な防犯商品は増えており、対策は可能だ。
新年度が始まったばかりの2日。
一般社団法人「痴漢抑止活動センター」がX(ツイッター)に「初めての1人暮らしを始めた方へ」と題し、ある防犯グッズを紹介したところ、4日間で表示回数が80万回を超えた。
その防犯グッズとは、鍵に刻印されている番号(キーナンバー)を読み取られないように隠すキーカバーだった。
鍵の番号から知らぬ間に合鍵を作られ、住宅に侵入された事件を報じる記事もアップし、「安全管理のために必須です」と注意喚起すると、「知らなかった」「周りの若い子に勧めます」といった書き込みが相次いだ。
小泉社長は「注意してほしいことはたくさんあるのですが」とした上で、次のように述べる。
「一番大事なのは『私は大丈夫』と思わないこと。犯罪被害を人ごとだと思わないことです」
参照元:Yahoo!ニュース