日本の鉄道運賃はコスパ最強? 「ビッグマック指数」で比較すると…

鉄道をイメージした写真

JR各社など鉄道運賃の値上げが続々と発表されている。

それでも他の先進国に比べると、日本の運賃水準はかなり低いという。

民間シンクタンク「交通経済研究所」(東京都新宿区)の副主任研究員、金谷牧代さんが主要7カ国(G7)の鉄道運賃を比較した報告書で明らかにした。

調査は、米国▽カナダ▽英国▽ドイツ▽フランス▽イタリア――の大都市近郊鉄道(地下鉄を除く)16~20キロ区間の普通運賃と、JR東日本東京-川崎間(320円、約18キロ)を比較した。

各国の鉄道運賃を市場の為替レート(1ドル=約150円)で換算して比較すると、最も高いのは米国で1693円。

次いで英国の1296円▽ドイツ765円▽カナダ670円▽フランス407円▽イタリア342円――と続き、日本は最も安価だった。

ただし、為替レートは変動が激しいうえ、日本は世界的にみて物価水準が安くないため一概に比較できない。

そこで、物価水準の違いを調整し、国ごとの生活実感に近い形で比較できる「ビッグマック指数」を用いて検証した。

ビッグマック指数は、世界中で展開するハンバーガーチェーン、マクドナルドの「ビッグマック」がどこの国でもおおむね材料が同じで、価格も比較的安定しているという特徴を活用。

為替レートの短期的な変動に左右されずに、各国の物価を比較するモノサシとして用いられている。

ビッグマック指数を用いて、大都市近郊鉄道16~20キロ区間の運賃でビッグマックがいくつ買えるかを国ごとに算出したところ、日本の0.67個に対し、米国1.98個▽英国1.46個▽ドイツ0.84個▽カナダ0.81個▽フランス0.45個▽イタリア0.38個――となり、ここでも日本の運賃は相対的に安かった。

JR東日本は昨年12月、来年3月の実施予定で運賃改定を国土交通省に申請した。

今回の検証で使った東京―川崎間は、現行の320円から30円増の350円に引き上げられるが、国際的な安さに大きな変化はなさそうだ。

それにしても、なぜ日本の運賃は安く抑えられているのか。

鉄道運賃は、鉄道インフラやサービスの質、鉄道運営に対する政府の補助金、政策の違いなどを反映して決まる。

金谷さんは、日本の安さの理由の一つとして「乗客の多さ」を指摘する。

大都市近郊鉄道の通勤時間帯で運行頻度を比べると、諸外国では1時間に数本のところ、日本では数分おきに運行される。

「乗客が多ければ、その分だけ固定費用を多くの乗客で分散できる」ためだ。

もう一つは、運賃の値上げが鉄道会社の独断ではできない仕組みとなっていることも大きい。

運賃改定には国交省に認可申請を出し、認可を受ける必要がある。

来年に実施予定のJR東日本の運賃値上げは、消費税の導入や増税時を除けば1987年の会社設立以来初めてとなる。

JR東日本は運賃の値上げについて「設備投資や修繕などに必要な資金を安定的に確保することが困難な状況で、持続可能な形で運営していくため」と説明する。

金谷さんは「運賃水準を踏まえると、利用者の適正な負担も重要だ」としている。

参照元∶Yahoo!ニュース