野菜が「タダでもらえる」アプリが人気 野菜高騰の中、なぜ“タダ”で?

野菜をイメージした写真

今、野菜が「タダでもらえる」アプリが話題になっている。

「トマトがずっと高い…」(30代男性)

「野菜を買うのをためらうくらい」(40代女性)

「値引き品のワゴンをのぞいてから、普通の売り場に行く」(30代女性)

3月に入っても寒波や天候不良が続き、例年より高い「野菜の価格」。

全国の野菜の小売平均価格(※農水省18日発表)は、キャベツ⇒平年の2.6倍、はくさい⇒2.3倍など、まだまだ一部の野菜が割高な状況は続きそう…。

そんな中、注目されているのが「野菜をタダでもらえる」アプリです。

アプリを愛用している片山ゆきこさん(東京都在住)のお宅におじゃますると、届いていたのは“タダでもらえた”野菜。

段ボールに詰まっていたのは…
パプリカ⇒6個
かぼちゃ⇒1玉
にんじん⇒1袋(15本ほど)
トマト⇒1袋(15個ほど)
さつまいも⇒1袋(15本ほど)
りんご⇒3個
デコみかん(不知火)⇒1袋(10個ほど)

全部で約4000円相当!

これがタダでもらえるアプリとは?

片山さん:「フリフルで詰め合わせが出たら、結構応募することは多いですね。“節約”という観点と、“農家さんへの応援”も伝わればと」

【フリフル】とは、無料で懸賞に応募できるアプリ

形の悪さで規格外となった「玉ねぎ」や「しいたけ」、完熟しすぎてスーパーでは売れない「イチゴ」や、そのイチゴを加工した「ジュレ」など、毎月5〜10種類ほどが“懸賞品”として並ぶ。

そして抽選に当たれば、規格外の野菜や果物を「タダでもらえる」とのことで、応募が殺到するほどの人気ぶり!

しかしなぜ、タダでもらえるのだろうか?

「フリフル」坂口龍也さん:「農家から『いっぱいロスが出てどうにかならんか』という話があって、お客さんにプレゼントして“ロスが多い現状”を知ってもらう目的で始めた」

規格外野菜の量は、全国で年間約180万トン。

味は変わらないのに、市場にほとんど出回らず廃棄されているという。

その規格外野菜を農家から“言い値で購入”し、ユーザーに“無料でプレゼント”。

ユーザーにとっては、節約しながら「農家を応援」することもできるシステムだ。

トマト農家・中野清隆さん:「規格外でも買い取ってもらえるようになったので、廃棄が少なくなった。単価は少し安くても、取引できる喜びが大変身に染みている」

肥料代や経費も高騰する中、“言い値で買う”というのは農家にはありがたいポイントですが、「農家から買い取ってタダでプレゼント」では、ビジネスにならないのでは…?

「フリフル」坂口さん:「広告収益で成り立っているのが、僕らのビジネスモデルです」

アプリを見ている時に表示される“広告収入”や、定期的にマルシェといったイベントを開催することで、収益を得ているという。

「今回は、玉ねぎです。無料です。フフフ」

二股になったり、形が不揃いなどの理由で規格外となった「玉ねぎ2kg」をタダでゲットしたのは、千葉県で夫と二人暮らしの鳥井裕美さん。

使っているのは【カウシェ】という規格外野菜やワケあり食品なども豊富に揃えているショッピングアプリ。

そのアプリの中にある「ゲーム」で野菜を育てて収穫すると、“同じ野菜がタダでもらえる”というシステムで、玉ねぎだけでなくミニトマトやお米、コーヒーなどもゲットできるという。

しかも、アプリの登録もゲームも無料。

鳥井さんは、ほぼ毎日ゲームで野菜を育て「年に5回ほどゲット」しているとのこと。

鳥井さん:「ゲーム内の野菜は、早い時は1か月くらいで成長する。一生懸命育てた野菜が捨てられちゃうのはすごくもったいないので、ゲームを通じて少しでもロスを減らせたらいいかな」

美味しい野菜をオトクにゲットできて、農家の応援もできる規格外野菜アプリ。

一度試してみるのもいいかもしれない。

参照元:Yahoo!ニュース