空き缶3000本超不法投棄 金沢北部の桐山 谷底まで「川のよう」

金沢市北部にある桐山町(きりやままち)の山中で、ビールの空き缶が大量に不法投棄されていることが22日までに、同市への取材で分かった。
市によると、その数は目測で3千本を超えている。
谷底まで約40メートルに渡って空き缶が散乱し、現場を訪れた市職員は「まるで川のようだ」と驚く。
近隣住民から「あまりにひどい」との声が上がっており、市は金沢東署に対応を相談するとともに回収作業を急ピッチで進めている。
空き缶が不法に投棄されたのは桐山町を流れる桐山川の右岸にある急斜面。
草木が生い茂り、10メートルほど上には市道が通っている。
捨てられていたのは全て容量500ミリリットルのアルミ缶だ。
発見したのは近所の曲子原町(まげしはらまち)に住む杉本幸彦さん(83)。
14日、町会で行う草刈りの下見をしていた際に見つけた。
周辺の草刈りや掃除は年に4回実施しているといい、杉本さんは「あまりの量にゾッとした。残念やった」と振り返る。
市は21日に回収作業を始めた。
ごみ減量推進課の職員6人が市道からロープを垂らして斜面に降下。
手作業で泥だらけの空き缶を回収した。
今月末までに作業を終える計画だ。
市によると、捨てられた時期は特定できず、汚れた空き缶はリサイクルが難しいため処分する可能性が大きいという。
職員の一人は「なぜ、ビールの空き缶ばかりなのか」と首をかしげた。
不法投棄を巡っては、同課が2021年4月、竹又町(たけまたまち)で布団やテーブルなど計600キロのごみを回収したケースがあるが、近年は処理件数、処理量ともに減少傾向にある。
市はごみが捨てられやすい山あい、海岸に監視カメラや防止看板を設置しているほか、パトロールを実施し、不法投棄の対策に取り組んでいる。
同課の担当者は「不法投棄は犯罪だ。多くの人に迷惑が掛かるので、2度としないでほしい」と呼び掛けた。
参照元:Yahoo!ニュース