「森友学園」関連文書 財務省が開示へ 近畿財務局元職員・赤木さんの妻「もう待てない。改ざんに関する文書だけでもできるだけ早く開示してほしい」訴え 財務省側は「17万ページ1年かけて開示」など説明

「森友学園」を巡る公文書改ざんを苦に、近畿財務局の職員だった赤木俊夫さんが自殺し、妻・雅子さんが関連する文書を「不開示」とした国の決定を取り消すよう求め、大阪高等裁判所で逆転勝訴した裁判。
これを受けて、先ほど財務省の職員が妻・雅子さんのもとを直接訪れ、来月上旬をめどに開示する予定の文書について説明した。
森友学園と国との土地取引に関する文書が中心で、改ざんに関わる文書は来月上旬には、公開されないことが分かった。
きょう=19日午前11時半ごろ、財務省の職員が赤木さん妻・雅子さんのもとを訪れ、来月上旬をめどに開示する資料の概要について、直接、説明した。
国は合計17万ページに及ぶ資料と電子データを1年かけて、開示していく方針で、来月上旬には約2000ページの文書を開示。
この2000ページの中身は、2017年に財務省近畿財務局が学校法人森友学園に対し、大阪府豊中市の国有地を鑑定価格よりも8億円以上値引きして売却した経緯に関する文書だとしていて、世の中に初めて公開される文書も含まれているという。
一方、開示される文書の目録も雅子さんに手渡されたが、赤木俊夫さんがうつ病を発症し自殺する原因となった「公文書の改ざん」に関する文書は、含まれていなかった。
雅子さんは、財務省の職員に対して、「なんで、夫が亡くなった時に、文書を公開するなど今回のような対応をしてくれなかったのか」「1年かけて公開するというけど、夫が死んで丸7年、裁判を始めて5年、もう待てない」「改ざんに関する文書だけでも、できるだけ早く開示してほしい」と伝えた。
雅子さんと弁護団は午後1時から会見を開き、今回の経緯について説明している。
「森友学園」の公文書の改ざんを強いられ自殺した近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54歳)の妻・雅子さんは、「夫が自殺に至るまでに、何があったのかを知りたい」と、財務省が検察に提出した文書の開示を求めたが、国側はあるかどうかも明かさず、「不開示」を決定したため、国を相手にこの決定の取り消しを求めて裁判を起こしていた。
大阪高裁(牧賢二裁判長)は1月の判決で、「法律では、文書の存在を明らかにした上で、開示か不開示を決めることが原則」と指摘し、「事件は不起訴処分がなされ捜査は終結しているため、支障を及ぼす恐れがあるとはいえない」として不開示決定を違法とし、国に取り消しを命じていた。
国が上告を断念したことで、この判決は確定し、国側は明らかにしてこなかった文書の存在も認めた上で、今後、開示していく方針を示していた。
参照元:Yahoo!ニュース