「あり得ない」高校生の親憤り 山間地のバス、減便のはずが、まさか廃止とは 「高くても通勤通学の時間だけは…」 地域住民に広がる不安の声

公園バスを利用している人をイメージした画像

長野市街地と中山間地を結ぶ路線バス計6路線の今秋廃止方針が明らかになり、沿線の住民からは生活に欠かせない「地域の足」がなくなることに不安の声が相次いだ。

「県道戸隠線」「鬼無里線」の2路線が廃止となる戸隠地区。

同地区住民自治協議会事務局長の松本悦夫さん(68)は「廃止も含め検討―の方針は2月末に聞いていたが、こんなにすぐとは」と驚く。

戸隠小学校や戸隠中学校には、通学にバスを利用する児童生徒もいる。

地区内から市街地に通う高校生にも影響が出る。

松本さんは「子どもにとってかなりの痛手。市に代替移動手段の確保策を考えてもらいたい」と話す。

市内の中山間地にある長野吉田高校戸隠分校、篠ノ井高校犀峡校、長野西高校中条校に通う生徒たちの通学への影響も大きい。

高校2年の長男(17)が「高府(たかふ)線」を使って長野西高校中条校に通う市内の母親(47)は「あり得ない」と怒りを隠さない。

長男は発達に特性があり、教員らが配慮しやすい小規模校を選んだ。

「せっかく選んだ学校なのに、通いづらくなってしまう」と切実だ。

長野吉田高校戸隠分校を卒業した男子大学生(20)は「多少値段が高くなっても、通勤通学の時間だけでも存続できないか探ってほしい」と訴える。

高府線で週に1、2回市内の病院などへ通う小川村の女性(76)は「病院まで家族に送ってもらう必要が生じる。小型バスの運行を検討してもらいたい」。

月に数回、長野駅前での買い物にバスを利用する同村の女性(85)は「減便と聞いていたが、まさか廃止になるとは思っていなかった」と戸惑いを口にした。

今回の廃止方針に含まれる「牟礼線」沿線の同市三輪地区住民自治協議会会長の金井和彦さん(68)は「(牟礼線が通る区間には)小型バスでもいいので、利便性を確保してほしい」と求めた。

参照元:Yahoo!ニュース