イデコの掛け金上限引き上げ、先送りか 年金改革法案の成立見通せず

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の掛け金の上限を引き上げる制度改正が先送りされる懸念が浮上している。
引き上げの前提となっている年金改革関連法案について、今国会での成立が見通せないためだ。
改正で節税メリットが拡大するイデコを利用し、資産形成しようと考えていた人に影響が出そうだ。
イデコは、会社員らを対象にした個人型年金で、掛け金が所得控除の対象となるなど、税制優遇が設けられている。
政府が昨年12月に決定した2025年度税制改正大綱では、月額掛け金の上限を▽企業年金に加入する会社員は、企業年金との合計で5万5000円から6万2000円に▽企業年金がない場合は2万3000円から6万2000円に――引き上げると明記された。
大綱には、イデコ改正は「確定拠出年金法などの改正を前提に」実施すると記されており、年金改革関連法案の成立が条件となっている。
政府・与党が提出する予定だった年金改革関連法案は、パートで働く人の厚生年金加入拡大などが盛り込まれ、負担増につながる内容も含まれていた。
夏の参院選への影響を懸念する与党内から「提出を先送りするべきだ」との意見が相次ぎ、政府・与党は法案提出の目安である14日までに提出できなかった。
制度の解説や資産運用の助言を行う民間セミナーなど、イデコ改正を見込んだ動きはすでに広がっているが、現状では改正が遅れる可能性が高まっている。
参照元:Yahoo!ニュース