香港CKハチソン、中国がパナマ運河権益売却を非難 株下落

パナマ運河を撮影した画像

香港企業CKハチソン・ホールディングス(長江和記実業)がパナマ運河の重要港湾の運営権を米投資会社ブラックロックなどに売却したことについて、当局が中国への裏切りとして批判するコメントを国営メディアに掲載した。

これを受け、14日の香港株式市場でCKハチソンの株価は一時6%以上下落した。

中国国務院の香港・マカオ事務弁公室は13日、中国共産党の機関紙である香港の大公報に寄稿した論説記事で、運営権売却は「中国国民全体を裏切るもの」であり、国益をないがしろにしていると批判。

CKハチソンに気骨がなく、利益追求に走っていることを示していると論評した。

同室はこの見解をウェブサイトにも掲載した。

富豪の李嘉誠氏が所有するCKハチソンは、同社の事業運営は中国政府から独立していると主張している。

CKハチソンは先週、戦略的に重要なパナマ運河の運営権など、228億ドル規模の港湾事業の大部分をブラックロックが率いる投資家グループに売却することで合意したと発表した。

CKハチソンと香港・マカオ事務弁公室はコメント要請に応じていない。

香港大学ビジネススクールの阮穎嫻講師は論説記事について「政治的リスクを示しており、米中双方とビジネスをしようとする企業への注意喚起だ。両方を同時に行うことはできない」と語った。

CKハチソンはブラックロック率いる投資家グループと145日間の独占交渉に合意した形で、取引はまだ確定していない。

致富証券の株式業務担当責任者トーマス・クォック氏は「取引のリスクは高まっている」と指摘。

「CKハチソンは板挟み状態だ。もし売却しなければ米国に悩まされ続けることになるが、売却すれば北京を怒らせることになる」と話した。

参照元:REUTERS(ロイター)