在留外国人上位5カ国に変化か 急増するネパール人とその背景

日本で暮らす外国人の人口上位5カ国は過去10年以上変化がなかったが、その顔ぶれが近々変わることになりそうだ。
新たに名を連ねようとしているのはネパールで、在留人口は最新の調査(2024年6月時点)で20万6898人まで急増。
近く21万人超で5番目に多いブラジルを抜く可能性が高まっている。
出入国在留管理庁の統計によると、ネパール人の在留人口は22年以降、年間3万~5万人規模で増えている。
24年6月に21万2325人だったブラジルの増加は、年間2000~5000人程度。
両国とも同程度の増加が続いた場合、24年下半期か25年上半期の調査でネパールがブラジルを抜くことになる。
24年6月時点の在留人口トップは84万4187人の中国で、ベトナム、韓国、フィリピンと続く。
ブラジルを含めた上位5カ国の顔ぶれは、12年以降変わっていない。
在日ネパール大使館によると、在留ネパール人の居住地は全国各地に広がり、飲食店で働く人が多い。
さらに、顕著に増えているのが留学生だ。
日本学生支援機構の統計によると、13年の3188人から23年には3万7878人と11倍以上に。
ベトナム(3万6339人)、韓国(1万4946人)を抜き、中国(11万5493人)に次いで日本国内で2番目に多い国となった。
ドゥルガ・バハドゥル・スベディ駐日大使は毎日新聞の取材に対し、在留人口増加の背景に、就職や教育の機会の充実、似通った文化を挙げ、「政府でも民間レベルでも両国の関係が素晴らしい」と述べた。
在日ネパール人の実情に詳しい日本経済大の太田智之准教授(国際協力論)によると、ネパール人の出稼ぎ先はマレーシアや中東が多いが、より高い給料を得られる日本を選ぶ人が新型コロナウイルス禍後に増加。
日本国内の日本語学校もネパールからの学生獲得に注力するようになり、九州の学校ではネパール人学生が大半を占めることもあるという。
太田准教授は、他国に比べ日本企業の正社員への志向が強い点も指摘。
「日本語学校の思惑とネパール人の思いが合致した。今後も日本ではネパール人がどんどん増えていくだろう」と分析した。
参照元:Yahoo!ニュース